2022/07/25

俺は作曲家だ!

オネゲルの著書「Ju suis compositeur」のタイトルを見て、作曲家 小櫻秀樹氏のサクソフォン+ライヴエレクトロニクス作品「Komponist-Bin ich!(邦題:俺は作曲家だ!)」のことを思い出した。

2006年にただの一度ライヴで聴いたことのある作品で、重量級の内容に圧倒されたものだ。その時、演奏したジェローム・ララン氏が、曲冒頭の「Komponist-Bin ich!」と叫ぶ箇所をフランス語で「Ju suis ma compositeur!」と言い換えていたのだ。妙な流れだが、思い出した理由はそんなところ。

その後、作品のことはすっかり忘れていたのだが、この機会に調べてみたところ、なんとヨリエン・ペッテション Jorgen Pettersson氏の演奏で2011年に商用録音化されているではないか。驚いた。「Spanning: Scandinavian Electro Acoustic Music」というアルバムで、最後のトラックに当該作品が収録されている。なぜ日本人作曲家の作品が、「Scandinavian」のアルバムに?という疑問はあるが、ブックレットを読んでいないので良く分からない。

はじめて聴いた時は、迫力に圧倒されてしまい、細かい部分を聴くことが叶わず、大味な印象しか残らなかったのだが、こうして整理されたレコーディング、ミキシング、マスタリングで聴くと、立体的な音響効果を活用している箇所の面白さに気づき、また、クライマックスにおいても(意外と)繊細な部分も耳に付き、楽しめた。

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