2020/11/13

世界へ引きずり込む

演奏者が、演奏を聴いてもらったときに、聴き手に「これは誰々が吹いているな」と分かってもらうことは、演奏者としての一つの重要な要素かと思う。

ジョン・ハール氏の演奏を聴くと、それ以上のものが氏の演奏の周りには立ち現れているように聴こえる。それは聴き手がハール氏の作り出す世界に取り込まれて、その中で演奏を聴く、という、感覚。聴き手が演奏者の近くにいるような錯覚を覚えさせられるのだ。

シェルシの「Tre Pezzi」の演奏はたまげた。上記のような類の、強い感覚は、これまでに感じたことのないものだった。

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