2018/02/13

相次ぐ訃報

今年の1月後半から2月前半にかけて、偉大なサクソフォン奏者の訃報が続いている。フランス・サクソフォンの黄金期を築いた以下の奏者たちが、相次いで亡くなったとの報せを受け取った。

アンリ=ルネ・ポラン氏
ローランド・オードフロイ氏
ミシェル・ヌオー氏
ジャン・ルデュー氏

ポラン氏とルデュー氏は、言わずと知れたデファイエ・サクソフォン四重奏団のメンバーだ。直接演奏を聴いたことはないものの、特にポラン氏は、2015年にお会いしたこともあり(ルーアン郊外のご自宅に伺ってインタビューを敢行した)、事更に悲しい。お会いしたときはたしか94歳。その時はお元気だったのだが…。ルデュー氏は、私自身がバリトン・サクソフォンで四重奏の世界に入っていったこともあり、憧れのような存在だった。豊潤な響きのリュエフ、デザンクロ…。デファイエQのメンバーの中では最も若く、70歳を超えてなお演奏を続けていたことは驚嘆に値する(私は聴けなかったが、2003年のルデュー・カルテット来日公演は当時大変話題になった)。

ミシェル・ヌオー氏は、ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の黄金期を支えた奏者として有名だ。ギャルドのメンバーと組んだカルテットの録音も非常に有名だが、ある時木下直人さんから教えていただいた、ジュネーヴ国際で一位を獲ったときのイベールの本選ライヴ演奏(アンセルメ指揮スイス・ロマンド管との共演)の印象が殊更に強い。ミュールのイベールを初めて聴いたときのようなショックを受けたものだ。

ローランド・オードフロイ氏はあまり知られていないが、フランスでは重要な位置を占めた奏者の一人。ジャック・メルツァー氏、ジャン=マリー・ロンデックス氏、ギィ・ラクール氏らとともにフランス・サクソフォン四重奏団なる団体を結成し、いくつかの録音の吹込みを行っている。

今朝、ルデュー氏の訃報を知ったのだが、三連休の頭だというのにすっかり気落ちしてしまった。名手たちを偲んで、ご冥福をお祈りします。

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