2016/11/29

SWR Musicよりデファイエ氏の復刻録音

以前からFacebook等で話題になっている録音でおり、今更な感じもあるが、備忘録のためにここにも書いておく。

SWR Musicという南西ドイツ放送局が運営するレーベルより、ダニエル・デファイエ氏の1950年代~1960年代の復刻(放送用?)録音が、おそらくインターネット配信限定でリリースされている。SWR Musicは、"Classic Archive"というシリーズで、自社が保有する歴史的録音をリリースしまくっている。多くは南西ドイツ放送交響楽団の録音で、特にサクソフォン的な意味では着目していなかったのだが、突然のリリース。しかも、驚くべき内容、サクソフォン界にとって重要なものと言えるだろう。

すべてバーデンバーデンの放送局のスタジオで録音されたものであるとのこと。チェレプニン、パスカル、クレストンといった同じみのレパートリーに加え、トレビンスキー、マルテッリという珍しい作品も並ぶ。デファイエ氏が30代から40代だった頃、演奏家としてすでに評価は確立しており、ミュール氏の後継として飛ぶ鳥を落とす勢いであった、まさにその頃の録音ということになるだろうか。まず録音状態が非常に良い!そして、デファイエ氏独特の美しい節回しやヴィブラートを、どの曲においても堪能することができる…この頃にはすでに氏の演奏スタイルは完成されていたということだろう。

クレストンの録音は1980年代の日本での録音があるし、パスカルはCrestレーベルに収録されているし…と思ってはいけない。この感性というか、みずみずしさはこの録音ならではであろう。デファイエ氏のファンならずとも、必聴に値する内容だ。

20th Century Music for Saxophone and Piano(SWR Music SWR10331)

A.Tcherepnin - Sonatine sportive
C.Pascal - Sonatine
10 October 1958, Musikstudio, Baden-Baden, Germany

A.Trebinsky - Saxophone sonatine
15 September 1959, Musikstudio, Baden-Baden, Germany

H.Martelli - 3 Esquisses
20 April 1963, Studio 5, Hans-Rosbaud-Studio, Südwestfunk, Baden-Baden, Germany

P.Creston - Sonata
15 September 1959, Hans-Rosbaud-Studio, Musikstudio, Südwestfunk, Baden-Baden, Germany

ぱっと調べた限りだが、Naxos Music Library、Google Play Music、iTunesで聴くことができる。
http://ml.naxos.jp/album/SWR10331
https://play.google.com/music/m/Brmu3kvar6bivojfsp7opymmtvm?t=20th_Century_Music_for_Saxophone__Piano_-_
https://itunes.apple.com/jp/album/20th-century-music-for-saxophone/id1131279933

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