2016/03/27

Tokyo Rock'n Sax レコード発売記念ライヴ(2016/3/23)

驚いた。これまで彼らのライヴは4回聴き、いずれも大変な感銘を受けたのだが、その4回の印象を軽々と超えるライヴだった。これはまさに「Tokyo Rock'n Sax "Version 2.0"」だ。彼らは新たなステージへと到達した。

【Tokyo Rock'n Sax レコ発ライヴ】
日時:2016年3月23日(水曜)19:30開演
会場:Last Waltz by shiosai
プログラム:
Yes - Roundabout
U.K. - In the Dead of Night
Genesis - Dancing with the Moonlit Knight
Queen - Bohemian Rhapsody
? (失念)
King Crimson - 21 Century Shizoid Man
David Bowie - All the Young Dudes
Led Zeppelin - Stairway to Heaven
Deep Purple Fireball
Deep Purple - Burn
Asia - ?

まずステージから出てきた瞬間からして、ビジュアル的に違う。服装、髪型がよりバシッと決まっている。そして驚いたことに全曲暗譜…である!クリップマイクを使って、ステージを縦横無尽に動きまわり、カッコいいソロをビシバシ決めまくる。前々回ライヴ→前回ライヴへの進化具合から想像していた、「レコ発ライヴはこれくらいかな」という印象を、軽々と飛び越え、さらに想像が及ばない範囲へと行ってしまった。

Yes「Fragile」の冒頭曲、「ジョジョの奇妙な冒険」のエンディングテーマとして採用され話題をかっさらった「Roundabout」の、よもやサクソフォンとドラムスだけとは思えないアプローチ、緩急の対比と歌詞の神秘性、そして心つかむメロディが魅力的な、Genesisの「Dancing with the Moonlit Knight」(あまりに感動して、「Selling England by the Pound」と歌われるのメロディのところで心のなかで歌ってしまったよ)、マルバ氏お得意Queenは、ついに、ついに「Bohemian Rhapsody」を演奏…いやあ、見事にマッチしますな。

後半もさらにパワーアップ。もはや十八番の「21st Century Schizoid Man」での疾走感やグルーヴ感は見事だし、David Bowieの「All the Young Dudes」は、なんと普段バスサックスを担当する田中拓也氏がソロを取った。これがまた印象深い演奏で…マイクが曲がってしまったのは残念だったが、鬼気迫る内容であった。Red Zeppelinは、原曲を聴くと、最終部に向かってワナワナ震えが止まらなくなってしまうのだが、Rock'n Saxでの演奏は、ある意味それ以上に心を震わせるものだ。最後のDeep Purpleは、問答無用のスピード感と熱さ。いやー、興奮しっぱなしだった。

このライヴ、もっとプログレファンにも聴いてほしかった。客層として、純然たるプログレファン、ロックファンはほとんどいない印象。どちらかと言うと、サックス関係者が多いのかなあ。もちろん大いに盛り上がるのだが、やはりもっと盛り上がってほしい…というのは無茶な希望かな。おそらく原曲を知っている方があまりいないせいか、展開や曲が持つエピソードなど、聴き手の内面にある要素と、演奏や選曲の素晴らしさが、ライヴ中にリンクしていると感じられる部分が若干少ないのだ。これは完全に聴き手の問題だろう。ということで、今後は違った宣伝のアプローチも求めたいところだ。

というか、これをクラシックサクソフォンのコンサート、としてブログ上で分類しようとしている自分も、何かヘンだな。

CDは先行発売時に買ったのだが、まだブログでは未レビューだった。こちらの出来も、一朝一夕には言い尽くせない感があるが…これは絶対書かなければ。

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