2016/02/17

大石俊太郎カルテット

いくつかレビューしなければならないコンサートが溜まっているのだが、とりあえず今日聴きに行ったライヴを。

大石俊太郎さんがフロントを務めるカルテットを聴きに伺った。渋谷の「公園通りクラシックス」、会場の名前は聞いたことがあったのだが、赴くのは初めてだった。木を基調とした、とても良い雰囲気の空間だ。グランドピアノが2台ある、というのもなかなかすごい。壁には、ジャズやらクラシックやら、様々なチラシが貼られているが、やはり名前の通りクラシックでの利用が想定された空間なのか…な?

メンバーとプログラムは以下の通り。演奏曲は、すべて大石さんのオリジナル。

【大石俊太郎カルテット】
出演:
大石俊太郎(Saxophone)http://shntr-oishi.tumblr.com/
松岡美弥子(Piano)http://ameblo.jp/miycom/
小美濃悠太(Bass)http://yutaomino.com/
坪井洋(Drums)https://tsuboihiroshi.wordpress.com/
日時:2016年2月17日(水) 19:00open 19:30start
会場:渋谷・公園通りクラシックス
プログラム:
はじまり
Baia di vento
cutie's game
即興
PENTA-PHOBIA
即興
神を運び
即興
Take Off
即興
Romance of M

ジャンルとしては、「ジャズ」ということになるのだが、無節操に盛り上がったりはせず、全編通してとても品のある演奏が印象的。だがしかし、曲の中にはきちんと起承転結が作られ、聴き手を飽きさせることはない。

個人的に、ソプラノで演奏された「Baia di vento」「神を運び(日本のとある祭りにインスピレーションを受けたたいう、かなり手のこんだ作品、とても面白く、ついつい集中して聴いてしまった)」「Take Off」といった曲、そして演奏にとても感動した。

「テンションの一体感」のようなものを常にメンバー内に持ちながら、それぞれが見事なテクニックや音楽性を披露する、というスタイルを取っているように感じた。個々の演奏については、特に、持ち音色のバリエーションの豊かさや、瞬間瞬間の変化が見事であった。例えばピアノの松岡氏、クラシックのピアノの音、まるでピアノ線を直接弾いているような軋んだ音、エレクトリックピアノのような音(なんだかリターン・トゥ・フォーエヴァーを思い出した)など、場面に応じてコロコロと紡ぎ出す音を変える。ほか、打撃のスピードの変化が見事なドラムス坪井氏、弓とピツィカートを駆使して華麗なインタープレイを繰り広げる小見濃氏といった、強力なメンバーを従え、大石さんのサクソフォンが自在にフレーズを紡ぐ。この不思議な温度、一体感は、彼の美意識による所が大きいのだろう。

オリジナル作品を作ることができるって、なんて素敵なことだろう。一曲一曲が、彼の個人的なエピソードが基となって編み出された曲…そのMCの内容を、ライヴ後にも思い出すことができてしまうほどだ。クラシックだと、「XXXX年に生まれたどこどこの作曲家で、YYYY年に作られて…」くらいしか言えないからなあ。

次回ライヴは、5月11日とのこと。また聴きに行きたいと思う。

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