2016/01/20

第2回横浜サクソフォンアンサンブル演奏会

横浜サクソフォンアンサンブル(YSA)の第二回演奏会を聴きに伺った。昨年に引き続き、とても楽しい時間を過ごすことができたのだった。

最近は、仕事が忙しかったり、その他諸々で精神的に荒んでおり、おまけに金曜から体調を崩すなど散々だったのだが、今日の演奏を聴いてずいぶんと音楽に救われる思いがしたのだった。普段は気付かないけれど、やっぱり、楽しい音楽は周りに無くてはならないものなのだと、感じ入った次第。

【第1回横浜サクソフォンアンサンブル演奏会】
出演:神奈川にゆかりのあるサクソフォン奏者、宗貞啓二、田口雄太(指揮)
日時:2016年1月16日 18:00開演
会場:都筑公会堂
プログラム:
M.ラヴェル/山田悠人 - 道化師の朝
H.マンシーニ/名田綾子 - ムーンリバー
M.ルグラン/名田綾子 - 双子姉妹の歌
長生淳 - 八重奏曲
真島俊夫 - ラ・セーヌ
真島俊夫 - シーガル
J.ヴァン=デル・ロースト/柏原卓之 - アルセナール
C.M.シェーンベルク/金井宏光 - レ・ミゼラブル
J.ヴァン=デル・ロースト/柏原卓之 - カンタベリー・コラール
W.R.ワーグナー - ワルキューレの騎行
小椋佳&見岳章 - 美空ひばりメドレー
和泉宏隆 - 宝島
岡野貞一/旭井翔一 - 浜辺の歌(アンコール)
和泉宏隆 - オーメンズ・オブ・ラブ(アンコール)

音大生・プロフェッショナルのステージは、プログラムとしてはかなりオーソドックスながら、各団体が「YSA」というブランドを一段階上へとステップアップさせるような、そんな気概を感じた。音大生のアンサンブル、木村有沙さんフィーチャー、男性八重奏、女性八重奏、原博巳さんをフィーチャーした「シーガル」等、どれも個性的な演奏を楽しんだ。見た目にも変化があり、編成は一曲ごとに違い、また曲のスタイルも様々。時間は少々長かったが、まったく飽きることなく楽しく聴くことができた。

ざっと感想を述べていくと…アンサンブルとして練りこまれていると感じたのは、「ラ・セーヌ」かなあ。女性らしい繊細なニュアンスの変化を楽しんだ。長生「八重奏曲」は、現代風のスタイルで吹くとあんなに軽やかになるのか、と驚いた。個人的にはもっとガツガツした感じが好きなのだが…。木村さんの、このステージの中で独自とも言える世界観は聴衆をずいぶんと魅了していたようだ。音大生チームは、一発目、かつ作品としても聴かせるのが難しいということもあって少々堅さがみられたかな、でもあの会場の雰囲気の中でかなり健闘していた。原さんは、もうさすがとしか言いようがなく、格の違いがここまで出てしまうのかと、改めて驚かされたのだった。進行は松下くんのMCによる。脱力系(褒め言葉です)の和やかな口上に、もしかしたら驚いた方もおられるかもしれないのだが、私自身はそれを彼の一つの魅力だと思っている…とは買いかぶりすぎかな。

後半、宗貞先生、そして田口雄太氏の指揮により、プロアマ混合、総勢130名ほどのラージアンサンブル演奏が披露された。耳馴染みのある曲を中心に演奏されたが、特に「ワルキューレの騎行」の集中力(山田氏の編曲は、実に手の混んだものであった)や、「カンタベリー・コラール」の集中力と、分厚い響きには感銘を受けたのだった。体調を崩していたこともあって、「美空ひばりメドレー」あたりから音が分離して聴こえなくなってしまったのだが、それでも最後までしっかりと、祝祭的な雰囲気を楽しむことができた。「宝島」のお祭り騒ぎも、サクソフォンならでは、サクソフォンだからこその楽しさを存分に感じさせるものであった。

アンコールで、まさかの旭井翔一編の「浜辺の歌」。オリジナリティある"響き"を追求したアレンジが印象的。最後は手拍子まで入っての「オーメンズ・オブ・ラヴ」。大盛り上がりの中終演となった。

運営の大変さはきっとあるだろうが、ぜひこれからも続けていってほしいなと思う次第。

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