2015/12/25

Simon Haram "Mono'dia"

まったくノーマークだったのだが、イギリスのサクソフォン奏者、サイモン・ハラーム Simon Haram氏が、1年以上も前にアルバムをリリースしていた。私は、ジョン・ハール John Harle氏を起源とするイギリスのクラシック・サクソフォンの系譜の延長にある奏者の演奏や、彼らが取り上げる作品が大好きなのだ。

Simon Haram: Soprano, alto and tenor saxophones
Graham Fitkin: Piano, synthesisers
John Alley: Piano
Ruth Wall: Harp
Martin Elliott: Bass Guitar

Graham Fitkin - Gate
Alan Taylor - Four Dances
John Adams - Postmark
Geoff Eales - She Cries She Dances
Graham Fitkin - Spill
Tonu Korvits - Singing Across the Sea
Paul Alan Barker - Two Songs from "Dirty Tricks"
John Woolrich - Fragment
Graham Fitkin - Passing

グラハム・フィトキンの傑作「Gate」から聴き始めたのだが、イギリスのクラシックサクソフォン特有のパリっとした鳴らし方はそのまま、押して引いてを絶妙にコントロールするスタイルにゾクっとしてしまった。「Gate」は、これまでパワー先行型で一気に聴かせる録音が多かっただけに、新しい形の演奏だと感じた。

珍しいアダムスの「ポストマーク」や、ベースとともに演奏される、「Two Songs from "Dirty Tricks"」など、聴きどころは多いが、最後に収録された「Passing」での、激烈な意思すら感じさせるテナーサクソフォンの鳴らしっぷりは一聴の価値ありだろう。1曲まるまるサクソフォン+シンセサイザーというシンプルな編成で、音色もそれほど変化しないのだが、構成感があるため聴き飽きない。

Amazonでも購入可能だ。Simon Haram「Mono'dia」

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