2015/08/15

SaxOpenを聴いて思ったこと

先のSaxOpenでは、350の新作(世界初演)が発表された。おそらく、後にも先にもひとつのイベントで350ものサクソフォン作品の新作が発表されることはないと思う。私も、様々な編成のための新作の演奏を聴いた。それは、オーケストラや吹奏楽との協奏曲であったり、サクソフォン・オーケストラであったり、室内楽であったり、ソロであったり…。

それらを聴いて思ったのだが"新しい表現"のようなものはほぼ無かったのではないかなと。確かに、興味深い作品や面白い作品はとても多かったのだが「真新しく感じた」という感想はほとんど出てこなかったように思える。果たして"新しい表現"を追求することがクラシック・サクソフォンの世界にとって良いことなのかは分からない。しかし、様々な作品が披露されている中、99%の興奮の中に、1%の閉塞感・無力感…言い換えれば、行き詰まりのようなものを感じてしまったのも事実だ。

何人かからも似たような感想を聞いたので、あながち間違いではないのかなと。

では、クラシックのサクソフォンは今後どのような方向性を開拓していくべきなのか?ドビュッシー「ラプソディ」や、デニゾフ「ソナタ」のような、"新しい表現"を内包した真の傑作は、今後、果たしてどのような部分から生まれ得るのか?個人的には何となくいろいろ考えることはあるのだが、未だに決め手に欠けるのと、実証が不足しているので、なかなか…。

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