2015/05/22

神聖な歌(Chant Sacré)のサクソフォン12重奏編

とある事情で入手を試みていた、エクトル・ベルリオーズ Hector Berlioz「神聖な歌 Chant Sacré」サクソフォン12重奏(SnSSAAATTBBBs)編楽譜を入手。注文から3ヶ月弱もかかった…注文したことをすっかり忘れていた。ジャン=マリー・ロンデックス Jean Marie Londeix氏の編曲で、BillaudotのJean-Marie Londeix Collectionとして出版されている。

御存知の通り、サクソフォンという楽器が発明された後、初めて聴衆の前に楽器がお披露目されたとき、演奏された曲が、この「神聖な歌」という曲である。含まれていたのはバスサクソフォン(こんにちで言うところのバリトンサクソフォンだ、という説もある)は、サクソフォンの発明者であるアドルフ・サックス自身が演奏した。その時の演奏の様子は、新聞?雑誌?の漫画となって残されているのだが、この画像がそれである(このサイトからお借りした→
http://www.geocities.jp/tatsuyabanno/saxophone/Saxophone2.html

この編曲譜の冒頭には、ロンデックス氏による解説文が記されている。ざっと訳してみよう。

1844年2月3日、パリのコンサートホールの一つである、Salle Herz(この絵は、1843年のSalle Herzの様子を描いたものである)において、ベルリオーズ指揮によるコンサートが開かれた。本コンサートでは、「"ローマの謝肉祭"序曲」と、ベルリオーズ自身が楽器用に編曲した自身のコラール「神聖な歌」を含む、いくつかの作品が演奏された。この「神聖な歌」には、アドルフ・サックスによって発明された新しい管楽器が含まれていた。「神聖な歌」の初演は、この数ヶ月前にマルセイユにおいて行われた。

このバージョンは、トランペット、コルネット、クラリネット、バスクラリネット、バスサクソフォン(こんにちのバリトンサクソフォン)という編成である。音楽作品にサクソフォンが含まれた、世界初の作品だった。残念ながら、このバージョンは失われてしまった。しかしながら、合唱とオーケストラの楽譜が残されている。本サクソフォン12重奏のためのアレンジは、その楽譜を元に構築したものである。

サクソフォンが含まれた世界初の音楽作品である「神聖な歌」、その楽譜が失われてしまったという事実は初めて知り、残念にも思ったのだが、ロンデックス編によるこのような楽譜が出ていたとは知らなかった(長瀬先生と、柏原さんに教えていただいた)。なかなか珍しい楽譜だが、国内、もしくは海外でも良いが、演奏されたことはあるのだろうか。ぜひ音を聴いてみたいものだ。

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