2015/03/20

演奏会のご案内:松下洋サクソフォンリサイタルVol.4

松下洋君のリサイタルが近づいている。これまで伺った3回のリサイタルはどれも非常に強い印象を残すもので、企画、そして演奏が高次元に融合している内容に、毎度感服している。企画を聞いて毎回「えっ、そう来るか!」なのだが、演奏を聴いて必ず良い方向にひっくり返される、その意外性が楽しいのだ。

第1回のリサイタル感想:http://kurisaxo.blogspot.jp/2012/05/lucky-to-be-me_23.html
第2回のリサイタル感想:http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/03/pedrosaxo_6745.html
第3回のリサイタル感想:http://kurisaxo.blogspot.jp/2014/04/fur-clara.html

松下君に初めてお会いしたのは、大西智氏さんのリサイタルの時(裏方として小川たくろー氏とともに手伝いに来ていた)で、その頃はまだ洗足学園音楽大学の学部生としての卒業試験を終えたばかりだったはず。その時、開場前の空いた時間に楽屋で観せてもらったこの動画に大きな衝撃を受け、以来着目している。東京藝術大学の大学院修士課程への進学や、海外奏者を招聘してのリサイタルの開催、新作の初演など、着実に実力をつけていたが、2014年には、いちのみや音楽コンクール優勝、ジャン=マリー・ロンデックス国際コンクールでのセンセーショナルな優勝(1999年の平野公崇氏以来の日本人第1位受賞)、そして管打楽器コンクールでの第2位受賞と、ついに名実ともに世界的なサクソフォン奏者の仲間入りを果たしたのだった。

今年度、東京藝術大学の大学院を修了し(なんとアカンサス賞を受賞したそうだ!)、これからさらにさらに活躍していくであろう、その最初のステップとしての重要なリサイタルとも言えるのではないだろうか。共演陣も、内容も、豪華そのもの(洋君の妹さんも参加しているようだ)。きっと楽しい演奏会になるはず。

【松下洋サクソフォンリサイタルvol.4~ソビエト3巨匠の情景~】
出演:松下洋(sax)、黒岩航紀(pf)他後述
日時:2015年4月8日(水)18:30開場 19:00開演
会場:みなとみらいホール 小ホール
料金:一般3000円、学生2500円(当日販売なし完全予約制、チケット予約受け付けはsax.subscription@gmail.com)
プログラム:
セルゲイ・プロコフィエフ - 「ロミオとジュリエット」組曲
アラン・ハチャトゥリアン - 「スパルタクス」よりアダージョ
セルゲイ・ラフマニノフ - 「ピアノ協奏曲第3番」より、Queen、Muse
セルゲイ・プロコフィエフ - 「冬のかがり火」より
ドミトリー・ショスタコーヴィチ - バレエ組曲「ボルト」
出演者:
Saxophone
松下洋・東秀樹・田中拓也・宮越悠貴
木管五重奏
満丸彬人・福島広之・小谷晋一・相良良・荒木奏美
金管五重奏
蔵持智明・松下絵里・庄司知世・高井郁花・田村優弥
打楽器
松本英之・関聡・小柳絵美璃
Piano
黒岩航紀
アレンジャー
旭井翔一

以下は、松下君自身のコメント文。ぜひ4/8はみなとみらいへ!もちろん私も伺います。
(チラシ画像は一番下に掲載)

第四回、松下洋サクソフォンリサイタルのご案内です。

毎年春のリサイタルでは一年間温めたアイデアを基に、その都度コンセプトに拘っております。昨年はシューマンを中心とした「男のロマン」を、音楽と詩と文学の面から楽しむというテーマでした!
1年前のリサイタルの様子はこちらから
http://youtu.be/P1yKTfbbvbA
2年前のリサイタルの様子はこちらから
http://youtu.be/EBKsKkHIXFk
3年前のリサイタルの様子はこちらから
http://youtu.be/sS3kcfCYPWM

今回のテーマは、こちら!
ロシアの神童といわれるプロコフィエフ、
アルメニア国の誇りであるハチャトリアン、
20世紀のモーツァルトと呼ばれるショスタコーヴィチ。
上の三人は「ソビエト3巨匠」と呼ばれ、その圧倒的手腕でロシアの枠から飛び出し世界中から指示され続けてきました。
そんな彼らのバレエ音楽の情景をテーマに今回はリサイタルを催します。

かつてロシアには偉大な興行師セルゲイ・ディアギレフという音楽プロデューサーがいました。ディアギレフはロシア・バレエ団を結成し世界各地を旅すると同時に斬新な芸術で衝撃を与え、新しい可能性を世界中にばら撒いていたのです。
そのゆかりもあってかロシアの作曲家はバレエ音楽での成功も多く、今でも「ロシアバレエは至高の芸術の一つ」として君臨しております。
これは紛れもなく「ディアギレフの残した遺産」であり、その伝統は偉大な音楽史の重要な史実の一つであります。

昔のロシア(ソビエト連邦)はレーニン、スターリンによる社会主義国家として厳しい言論と思想の統制が行われ、それは音楽ジャンルにまで及び音楽表現の方法にまで規制がかかっていました。
国の認めない音楽を作曲したら死刑、
国の認めた音楽を批判したら死刑、
音楽だけに限らず様々な方向へ統制をかけていた時代でした。
しかしその中でも、才能というのは決して屈すること無く芽生え、どんなに弾圧しようとも彼らの個性溢れる音楽はその枠に留まりませんでした。
そんな素敵な作曲家達の曲にサクソフォンでチャレンジしますo(*^0^*)ノ


そしてリサイタルでは個人規模の催しとしてはあり得ない人数に参加してもらいます。
サックス四重奏+木管五重奏+金管五重奏+パーカッション+ピアノの総勢17名です。
※吹奏楽ではありません(p‘・ω・〝q)

サクソフォンのソロでは「ロメオとジュリエット」で超絶技巧を披露し、各ユニットとのアンサンブルでは全く異なったサクソフォンを表現致します。
また、黒岩君のラフマニノフコンチェルトも必聴でございます(p‘・ω・〝q)

そして後半ではサクソフォンを通して繋がる音色や、他の楽器の音色とのサクソフォンとの対比、そして何よりサクソフォンを中心として作られる音楽、さらに従来の並び方は全て取っ払い、斬新な並び方をする事でそれぞれのソリストが3D的に際立ち各奏者が強調されより極彩色に近くなるという、新しいスタイルによったロシアならではの超大迫力リサイタルでございます。アレンジは天才の旭井君でございます。

総勢17名の少数精鋭となるちょっとカオスなリサイタル、是非お越しくださいますと嬉しいです。

(クリックすると拡大)

0 件のコメント:

コメントを投稿