2015/02/11

オーケストラ・ルゼル 第15回演奏会

すみだトリフォニーホールの大ホールに入るのはいつ以来だろう。何年も前に、N響のミュージック・トゥモローを聴きに来たことがあるのだが、それ以来かもしれない。本日は、見た目満席、というほどの入り。開演10分前くらいに飛び込んだのだが、なかなか座る場所を見つけられないほどだった。

【オーケストラ・ルゼル 第15回演奏会】
出演:オーケストラ・ルゼル、佐々木新平(指揮)、千田寧子(オルガン)
日時:2015年2月11日 13:30開演
会場:すみだトリフォニーホール・大ホール
プログラム:
C.サン=サーンス - 歌劇「サムソンとデリラ」よりバッカナール
M.ラヴェル - ラ・ヴァルス
C.サン=サーンス - 交響曲第3番(オルガン:千田寧子)

なんというプログラム!オール・フレンチで、フランス後期ロマン~近代派の名曲を取り揃えた、アマチュアのオーケストラながら意欲的なものである。超難曲「ラ・ヴァルス」を始め、練習はなかなかに大変だったことだろうと推察するが、演奏そのものも、演奏会としても、とても満足するものであった。

時折アンサンブルの精度としては甘い箇所があるものの、盛り上がりの作り方はなかなかのもの。もちろん指揮者の旗振りによるところもあるだろうが、メンバーが比較的若いところも、その一因となっているはずだ。そういえば、アマチュアのオーケストラって東京に、関東に、いくつくらいあるのだろうか。私も昨年から今回を含めて3団体ほど聴いているが、おそらく他にもたくさんあるのだろう。

「バッカナール」での後半への煽りは、演奏者の"ノリ"と指揮者の引っ張りが見事に結実した結果である。客席も盛り上がった!「ラ・ヴァルス」は、普段私自身が聴いている演奏(バーンスタインxフランス国立管とか、クリュイタンスxパリ音楽院管とか)にはさすがに追いつけない部分があるが、全体の響きの作り方などはぐっとくるものがあった。何よりその旺盛なチャレンジ精神に大拍手である。「交響曲第3番」は、これはもう否応なしに盛り上がりますね。オルガンとオーケストラが、徐々に濃密な絡み合いを見せ、後半に向けて見事に融合していく様を楽しんだ。アンコールはなかった。たしかに「交響曲第3番」のあとに持ってくるもの…といっても、想像がつかないな(笑)。

いやはや。それにしても、オーケストラって良いですね。チューニングの音ですら、上質なアペリティフのよう。弦が弾いたときの、ふわっとした空気感(録音では楽しめない)。各管楽器の、まるでソリストのような扱い。視覚的にも聴覚的にも、管楽アンサンブルにはなかなか真似できない瞬間を、各所で楽しんだ。何よりも「これこれ!」と膝を打つような名曲の数々!である。サクソフォンは定席がないからなあ(苦笑)。

0 件のコメント:

コメントを投稿