2015/01/18

フルモー&ブリッソンのデュオLP

島根県のF様よりお送りいただいたLP。いつもこういった貴重な録音をお送りいただき、感謝である。ある筋では大変に有名な、フルモー氏とブリッソン氏のサクソフォン・デュオのLP。

ジャン=イヴ・フルモー Jean Yves Fourmeau氏はおなじみであるが、クロード・ブリッソン Claude Brisson氏は、1943年、カナダのケベック生まれのサクソフォン奏者である。1970年シーズンにパリ国立高等音楽院のダニエル・デファイエ氏のクラスを卒業した。1970年のジュネーヴ音楽コンクールで、銀メダルを獲得しているとのこと。「ファンタジー Fantaisie」で有名なドゥニ・ベダールが、彼に「ソナタ」という作品を捧げている。フルモー氏は1958年生まれ、1977年シーズンの卒業であるから、だいぶ差があるようだ。

録音は1987年1月(意外と新しいな)。カナダのプロダクションのい制作である。どのような経緯で制作に至ったかはよくわからないのだが、このような録音が残されていることは幸いだ。当時としてはサクソフォン・デュオの録音は珍しかったのでは(この時期までに制作されたデュオの録音なんて、ロンデックス氏とブロディ氏の演奏くらいしか思いつかない)。Thunderさん情報によれば、カセットテープという販売形態もあったらしい。

プログラムは以下の通り。
Jean Marie Leclair - Sonate en la majeur, op.3 no.2
Paul Hindemith - Konzertstuck
Pierick Houdy - Cinq caracteres en forme d'etudes
Karl Stamitz - Duo en re majeur
Guy Lacour - Suite en duo

オーディの作品は、いかにもこの時代のネオ・ロマンティックなフランス作品の響き。シュターミッツの作品は、フルートもしくはヴァイオリンのデュオのために書かれており、ルクレール、サンジュレあたりの響きを想像していただければ良く、ルクレールに代わって人気が出てもおかしくないと考える。聴き物はやはりヒンデミットとラクールだ。美しく丸い音色(なんとなく、お二人とも音色が似通っているように感じる)を崩すことなく、すいすいと吹いていってしまう手腕の高さに舌を巻いた。ラクールは、今でこそ須川展也氏とケネス・チェ氏の録音があるが、それ以前はたしかこのLPが標準盤だったのだよなあ。

デュオの録音として大変クオリティが高く、またヒンデミットやラクールが入っているという点で、貴重なものだと考える。CDで再発売されたら、フルモー氏の人気もあるし、日本ではけっこう売れるんじゃないかなー、などと勝手に思うのだが。。。

もう1枚、面白い録音を頂戴したので、後日紹介する。

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