2015/01/30

スティーヴ・ライヒ「18人の音楽家のための音楽」

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ミニマル・ミュージックの先駆者として、フィリップ・グラス、テリー・ライリーらとともに"ミニマル三羽烏"とも称された鬼才スティーヴ・ライヒ(1936 - )。そのライヒが制作した作品の中でも、最も有名な作品のひとつがこの「18人の音楽家のための音楽」である。パルス&リズム・パターンの繰り返し/変化によって曲が構成される、およそ1時間の作品である。初演は1976年。ライヒ自身と、仲間の音楽家たちによって行われた。演奏の編成は、クラリネット/バスクラ2、ヴィブラフォン1、シロフォン2、マリンバ3、ピアノ4、女声4、ヴァイオリン1、チェロ1。

パルス~11のセクション~パルスで構成される。各セクションはさらに細分化されており、その短い小節の固まりが何度も繰り返され、ヴィブラフォンやクラリネットのcueにより順方向に進んでいく。

大好きな作品だ。マイケル・ナイマン・バンドしかり、フィリップ・グラス・アンサンブルしかり、テリー・ライリーの「Olson III」しかり、大編成で演奏されるミニマル・ミュージックは、小難しいことを考えずに芳醇な響きへと没入できることが楽しい。長距離移動の際など、かならずこの曲をポータブル・プレイヤーに入れて持ち運んでいる。サクソフォンは入っていないのだが、この有機的/無機的の境界線上をひた走るような作品にあっては、全てを俗世界へと引きずり込んでしまうようなサクソフォンの響きは無用である。

なぜ突然この曲か、というと、たまたま昨日、YouTubeでアンサンブル・アンテルコンタンポラン Ensemble intercontemporainがこの曲を演奏する動画を見つけてしまったからなのだ。世界最強の現代音楽アンサンブル(ステレオタイプにまみれた呼称…)との呼び声高い、このアンサンブルが「18人の音楽家のための音楽」を演奏するだなんて!


激烈な巧さ。各奏者はひたすらに演奏に没頭しており、どんな身体的に無理のある箇所であっても、淡々とプレイするその姿勢にしびれた。この曲を演奏する奏者が時折発する人間らしさを極限まで削ぎ落とした演奏と感じる。いやはや、びっくりした。すっかり耳を洗い直されてしまった気分だ。

もう少し気楽な?演奏をお好みな方は、Eighth Blackbirdの動画を。ノリノリで何だかとっても楽しそうだ(笑)。ロックだぜ!


スコアは、Boosey & Hawkesのサイトからオンライン参照可能(Registrationが必要)。
https://www.boosey.com/cr/perusals/score.asp?id=1009

楽器配置表は、こんな感じ。

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