2014/03/29

小林正憲x赤木俊祐 Saxophone Concert

小林正憲さんにご案内いただいて伺った。実はずいぶん前に、まだお互い学生だったころに小林さんの演奏を聴いたことがあって、妙に強い印象が残っていたのだが、数年を経て再会(再会というのかな?)、それからきちんと聴かせてもらうのは、初めてだったはず。赤木さんの演奏は初めて聴いた。ピアノはもうおなじみとなった、大嶋千暁さん。

【小林正憲x赤木俊祐 Saxophone Concert】
出演:小林正憲、赤木俊祐(以上sax)、大嶋千暁(pf)
日時:2014年3月29日(土曜)14:00開演
会場:名曲喫茶カデンツァ
プログラム:
E.Sabon & E.Coyon - Les cloches bleues (小林・赤木・大嶋)
C.Saint-Saens - Le cygne (赤木・大嶋)
Traditional - Londonderry Air (赤木・大嶋)
E.Satie - Je te veux (小林・大嶋)
Omnibus/? - Japanese Seasons Medley (小林・赤木・大嶋)
J.B.Singelee - Duo Concertant (小林・赤木・大嶋)
R.Clerisse - Sérénade Variee (赤木・大嶋)
D.Bedard - Fantaisie (小林・大嶋)
F.Poulenc - Trio (小林・赤木・大嶋)
A.Menken - Beauty and the Beast (小林・赤木・大嶋)

MCやプログラミングは、比較的クラシカル・サクソフォンに馴染みのない方でも聴きやすく/分かりやすく、というベクトルを強く感じたが、演奏内容はゴマカシ・手抜き、一切なし。今回が初めての演奏となるデュオとは思えないほど、アンサンブルの面が相当詰められており、引きつけられた。冒頭演奏された「レ・クロシュ・ブルー」は、随所にアゴーギクやルバート、テンポ・チェンジなど頻出する曲だったが、2本のサクソフォンとピアノの息はぴったり。ちなみにこの曲、フルート、オーボエ、ピアノという編成で演奏されることが多い作品で、ただしどのような管楽器でも演奏可能に書いてあるとのこと。面白いなあ。

小林さんは、どっしりとした基礎部分の上に自然な歌い込みが入る。アルトもテナーも包み込むような音色が印象的。赤木さんの演奏は初めてで、アルトは若干細めの音色だが、ソプラノがまたキラキラして素晴らしい音色なのだ。おふたりともテクニック面では何の問題もなく、さらに突っ込んだ音楽表現やアンサンブルを随所に聴くことができた。だから、ソロの比較的平易な曲であっても、心地よく耳に響くのだ。そして、万全のサポートとなる千暁さんは、やはりいつ聴いても素晴らしい。

後半はオリジナル3曲と、もはやサクソフォンのオリジナルとしてしまってもおかしくないプーランクのトリオ。特にトリオで演奏されたサンジュレとプーランクの印象が強く、音楽を奏でる喜びやアンサンブルをする愉しみが、音に乗って溢れ出てきており、聴き手としてもとても楽しい時間を過ごした。プーランクって、聴く前のプログラムリストを眺めると「またサクソフォンでプーランクか!」と思ってしまうのだが、いざ聴き始めるとその食傷気味だったイメージが吹っ飛んでしまうのだよな。やはり名曲。ソロも楽しく、ソプラノでクレリスが、テナーでファンテジーが演奏された(敢えてチェンジしてみた、とのこと)。

アンコールに「美女と野獣」。本日の出演メンバーを意識しての選曲とのことだが…笑。お二人、それぞれのリサイタルも聴いてみたくなったし、お二人が参加されているAriaSQも気になってきた!

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