Jean Marie Londeix, saxophone
Lucie Robert, pf
GOLDEN CREST RE 7098 (New York)
Lucie Robert - Cinq Strophes
Charles KOECHLIN - Etudes no.8,2,9,3
Lucie Robert - Tourbillons
Graciane Finzi - De l'un à l'autre
Alain Louvier - Hydre à cinq têtes
ロンデックス氏のCrest盤というと、1975年録音のもの(デザンクロ、ダルヴァンクール他所収)があまりにも有名で、こちらは比較的珍しいのではないかと思う。「カデンツァ」が有名なルーシー・ロベール氏の作品が2つも収録されており、さらにピアノを弾いているのもロベール氏と、ジャケットの情報を読んだだけでもアルバムとしてロベール作品に偏重している印象を受けるが、実際の内容もその通りである。
5つの楽章に分かれた「Cinq Strophes」と、15分以上に及ぶ「Tourbillons」は、いずれも非常に聴き応えのある内容であり、また「カデンツァ」を知っていれば、一聴してすぐにロベール作品だということが認識できるだろう。サクソフォン、ピアノともどもかなりのテクニックを要する作品で(実際サクソフォンの一部にはミスも散見されるほど)、だがしかし真正面からそれにぶつかっていくロンデックス氏の演奏は、まさに作品との一騎打ち!という印象を受ける。長い作品だが、耳が離せない。中堅というポストへと進んだロンデックスの、大きな挑戦の様子を耳にするようだ。
ケクランは、さすがにロベール作品のあとに聴いてしまうと箸休め的な印象を受けてしまうのだが、ちょっとしつこいくらいに隅々までよく歌われており、ただそれが厭らしく聴こえてこないのはロンデックス氏の持つ技術・センスに因るところが大きいだろう。ちなみに、パリ国立高等音楽院サクソフォン科の歴史の中で、「審査員全員一致の一等賞ならびに審査員特別賞」を得て卒業したのは、ロンデックス氏のほかに、わずかにモレティ氏だけである。卒業当時からぶっ飛んでいたのか、それとも当時の審査員はよほど見る目があったのか。
フィンツィ、ルヴィエの2曲も、それぞれおよそ3分程度ながらとても密度の濃い作品であり、言ってしまえば「ゲンダイオンガク」に分類されるのかもしれないが、とても楽しく聴けた。高い集中力が心地よく、いつもは不自然に聴こえるCrestの録音ポリシーも、心なしかプラスに働いているような気もする。
いずれも素晴らしいえんそうだけに、MD+Gの復刻の際にケクランしか取り上げられなかったのが不思議だ。特にロベールの録音は、ピアニストが作曲者自身であるということを仮に抜きにしたとしても、いずれも後世に伝えるべき内容ではないだろうか。
ジャケット裏面には、使用楽器とセッティングが書いてあった。Selmer Mark VII、Selmer S-80 C*マウスピース、Omega 2 1/2リードを使用、とのこと。
Omegaはセルマー・オメガだと思います。セルマーの楽器を購入すると3枚付いてきました。
返信削除先端のカットがやや丸く、セルマーのマウスピースとピッタリでした。
わんこさん
返信削除情報まことにありがとうございます!そんなブランド名で売り出していたとは知りませんでした。今で言えば「トラディショナル」や「Java」に相当する名前なのでしょうか。
こんにちは。
返信削除僕が使っていた’80年ころは、ヴァンドレンといえば今のトラッド、グロタンはg3、セルマーはオメガしかありませんでした。
なので、ブランド名と言うよりシリーズ名の方がしっくりくるかな?オメガ以前にはソロイストという名前のリードもあったそうですし。
マウスピースもセルマーはS80、ヴァンドレンはV15系しか無かった。楽器もシリーズ3が出るまでは1機種しか。
今は選択肢が多すぎて迷ってしまいます。
ちなみに
オメガは↓
http://kangakki-pro.ocnk.net/product/940
ヴァンドレンは↓
http://saxophonis.exblog.jp/14379373/
こんなでした。
わんこさん
返信削除リンク先情報ありがとうございます。今はそれぞれ消えてしまったものと思いますが、実に面白いですね。なかなかサックスの楽器本体や小物の知識が少ないもので、こういった情報を教えていただくのはとても勉強になります。ありがとうございます。