2013/08/04

Clover Saxophone Quartet "CLOVER"

ちょくちょく演奏(会の打ち上げ?)でご一緒する機会のある大嶋千暁さんが、日本音楽審議会主催のアジア国際音楽コンクールで2位を受賞されたとのこと。めでたい!

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クローバー・サクソフォン・クヮルテットのファーストアルバムを未聴であったことに最近気付いて、ロベールの「テトラフォーン」の録音が必要だったこともあり、購入した。セカンドアルバムの素晴らしさは以前ブログ上でのレビューでも書いたとおりだが、このファーストアルバムも聴いてみると大変充実した内容に素晴らしい演奏で、感動した。もっと早く入手しておけばよかった。→Amazonでの購入リンク

「CLOVER(King Records KICC 739)」
林田祐和 - ストレンジ・ラン・フォー・カラーズ
A.K.グラズノフ - 四重奏曲作品109
E.モリコーネ - ニュー・シネマ・パラダイス
L.ロベール - テトラフォーン
P.マスカーニ - カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲
E.ボザ - アンダンテとスケルツォ
石毛里佳 - アレグレットとプレスト
P.I.チャイコフスキー - アンダンテ・カンタービレ

冒頭のストレンジ・ラン・フォー・カラーズ(クローバーSQのアンコールの定番だ)からリズミックでフラジオバリバリのゴキゲンな演奏。作品としても面白く、独学によるものとは思えないこの完成度。楽譜もクローバーSQのサイトから買えるので、興味ある方は挑戦してみては。

グラズノフは、ミュール四重奏団を皮切りに、市場に氾濫する数多の録音のなかでも光るものの一つだと思う。繊細な表現や美しい音色、力みなく・淀みなく、すべてが正しい方向で進んでいく。アルバム全体が、このグラズノフを中心として均衡を保っているような印象も受ける。CD自体がワールドリリースなどされれば、世界各地で聴かれるようになるほどのものだと思うのだが、やはりワールドリリースは難しいのかなあ。

大曲の間に挟まれている小品は、聴いていて少しホッとするが、個人的には小品の代わりにもうひとつ大きな作品を入れてくれても良かったなあ、などとも思った。例えばデビュー・リサイタルで演奏されたデザンクロとか…まあデザンクロは結局セカンドアルバムには収録されたのだが。

また、録音がほぼ無いに等しいロベールもとても良く、あの楽譜からこうもスマートな演奏を繰り広げるのかと驚いてしまった。スコアから想像するのは、もっとガリガリした音楽なのだけれど。これはやはりソルフェージュの格の違い、ということなのだろうか。クローバーSQの委嘱作品である「アレグレットとプレスト」は、ライヴで聴いた時の楽しさを思い出した。録音物としても十分面白いが、これを聴いてしまうと、次はぜひライヴでの再演を期待、という方向に意識が向いてしまった。

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