2013/07/27

McKenzie Sawers Duo "The Coral Sea"

グラハム・フィトキンの「Gate」のレコーディングは、これまでクラリネットによるものとリコーダーによるものは知っていたが、肝心のオリジナル版であるソプラノサクソフォンによるレコーディングは存在しないと思っていた…が、あるところにはあるようで。

サクソフォンのSue McKenzie スー・マッケンジー氏は、Scottish Saxophone Ensembleのリーダーであり、クラシックのみならずジャズにも精通している…というか、そもそも出身はエディンバラ・ネピア大学のジャズ科出身であるので、というかむしろそちらが専門だろうか。2012年にセント・アンドルーズ(スコットランド)で開かれたサクソフォン・コングレスのアシスタント・ディレクターでもあった。オープニング・ガラコンサートScottish Saxophone Ensembleのステージフィリップ・ガイス指揮のストラスブール音楽院サクソフォンアンサンブル(ゲスト出演)などで、ファンキーなソロを吹きまくる姿が印象的だ。

そのマッケンジー氏が、クラシカルなスタイルのCDを出していたことすらも知らなかった(今年発売されたばかりだが)。まだまだ知らないことがたくさんあるんだなー。Amazonの公式販売元ではまだ予約中になっていた。

「The Coral Sea(Delphian DCD34121)」
Sue McKenzie, saxophone
Ingrid Sawers, pf
Track lists:
Gabriel Jackson - The Coral Sea
Graham Fitkin - Gate
Nikkin Iles - Alma Venus
Graham Fitkin - Glass
Mark Anthony Two Memorials
Gavin Bryars - Allegrasco

タイトル曲にもなっている「The Coral Sea 珊瑚の海」を始め、初めて聴くものの美しい作品ばかり。マッケンジー氏の音色は、とてもエモーショナル。ジョン・ハール直系の弟子ではないとはいえ、イギリス、と言われると納得してしまうような演奏だ。どれだけ自分の耳がステレオタイプに染まっているのだ、という感じだが…。

特に、冒頭・そして最後にそれぞれ配置され、20分近くに及ぶ「The Coral Sea」や「Allegrasco」など、じわじわとした盛り上がりがあって感動的だ。楽しみにしていた「Gate」もきっちりと演奏されていて、こういった演奏によってこの曲が認知されることを嬉しく思う。

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