2013/05/10

TSQ5/18の演奏曲目について(その1:ラヴェル)

Tsukuba Saxophone Quartet 5/18の演奏曲目について1曲ずつ雑多に書いていこうと思う。演奏会の詳細は下記リンク先から。

http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/04/tsukubasq518.html

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モーリス・ラヴェル「クープランの墓」から、プレリュード、フォルラーヌ、メヌエット、リゴードン。フォルラーヌはアルトのK田さんの渾身のアレンジ、他はアルモのアレンジである。

正統派の「クラシック音楽」のアレンジ作品に取り組むのは、おそらくバッハ/伊藤康英「シャコンヌ」を演奏して以来。"クラシックの"サクソフォンを演奏していながら、こういった作品に取り組む機会が少なく(TSQに限らず大体その傾向に陥りがちなのだけれど)、これでは良くないと思ったのかどうかは忘れたが、サブタイトル"DANCE"にも適合するこの作品を選んだ。「フォルラーヌ」「メヌエット」「シャコンヌ」は、バロック時代の舞曲形式の名前であり、フランソワ・クープランが活躍した時代へのオマージュとして書かれた「前奏曲付き舞曲集」とも読み替えることもできる。

その昔、ミ=ベモルのラージ版にものすごく苦労した覚えがあって、だいぶ警戒していたのだが、ミ=ベモル版ほどではないにしろまあ難しいこと難しいこと。できないところを未だに個人練で潰している始末である(自分が)。

4つの曲それぞれが完全に分離されており、いずれの曲も異なる魅力を持つ。プレリュードの無窮動的なクールさ・Major Keyの楽しさ・フランス的な流麗さが同居した感覚は、他のどんな作品にもないものである。フォルラーヌは、なんだか人を喰ったようなシュールレアリズム的な感覚があるし(この曲が作曲された頃にはまだ"シュルレアリスム"という言葉は無かったが、念のため)、メヌエットは基本的な和声を丁寧に並べて突然現実に引き戻されるような。最後はリゴードンで快活に。中間部のペンタトニック的な旋律の、和風な感じが不思議。

オーケストラ版が持つような色彩感の豊かさをサクソフォンのみで表現するのは難しいが、それを逆手に取って、同属楽器ならではの一体感やスピード感にご注目。それから、弱音の表現にも気を配っていきたい。

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