2013/04/01

松下洋&PEDROSAXO(横浜公演・続き)

PedroSaxoのステージについては当初昨日の記事に追記しようと思っていたが、思い直して新しく記事を起こすことにした。

私はPedroSaxoのライヴは2回目の体験であったため(一回目はWSC会期中、Byre Theatreでの公演)、さすがに世界がひっくり返るような衝撃を受ける、といったことはなかったが、それにしたってやはり目からウロコのサウンドであることに間違いない。宮崎真一氏の東京公演に関する記事をとっかかりにしてその魅力について簡単に書いておきたい。

通常のサクソフォンのサウンドに、例えばスラップタンギング、フラジオ、キイノイズ、重音を混ぜ込む、といったあたりまでは普通の現代音楽でもすでにやり尽くされており新鮮味が無いが、PedroSaxoの面白いところは、そこに演奏者の身体から発せられる音(声による様々な奏法)をさらにプラスするところかな、と思う。掛け算の項がひとつ増えるようなもので、これまで体感したことのないような音が次から次へと現れるのだ。さらに、曲の基礎となる部分を民族音楽などにヒントを得て構築することで、耳馴染みやすい音楽をプレゼンテーションするところも上手い。誰が聴いても、子供の頃から知っているドローンであり、ペンタトニックスケールであり、琴線に触れるべくして触れる音楽なのだ。

このスタイルを貫き通しながら世界中を飛び回っているPedroSaxo。今回の来日で日本のサクソフォンに大きな衝撃を与えたことだろうが、もっと多くの人…サクソフォンを専門的に学ぶ人も、アマチュアでサクソフォンを演奏している人も、一般のクラシック音楽やポピュラー音楽のファンも…に知られてほしいものだと思った。YouTubeのみならず、ぜひライヴで!

最後は、松下洋さんとPedroSaxoのデュオで、ペンタトニックなテイスト満載の「Yo Style」。会場が沸いた。前半のチック・コリアステージともども、例外的なほどに大きい聴後感を得ることができた。

松下洋さんによるツアーレポートは、下記リンクからどうぞ。
Part1: http://blog.goo.ne.jp/youcrossgun/e/70ebfbb7d584b5dc67696c0fe22cfacd
Part2: http://blog.goo.ne.jp/youcrossgun/e/622661ba5a86bf18a4b947144bd39e68
Part3: http://blog.goo.ne.jp/youcrossgun/e/5a6280a50a77eaca6ecde04060bc42b4

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