2012/08/15

イベール「室内小協奏曲」の解説

コングレスのレポートや曲目解説など、書き仕事が少々溜まっており進めている最中。イベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」のロンデックス編曲版の曲目解説を500文字で書く、というものがあって下書きだけしてみた。たぶん決定稿はまた違った形になるとは思うのだが、500文字ってなかなか面白いなと思いながら推敲している。

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150年以上に及ぶサクソフォンの歴史の中で、最も優れた作品の一つとされるジャック・イベール(1890-1962)の「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」。楽器の機動性を活かした軽妙な作品で、めまぐるしく変わる場面がサクソフォンを聴く楽しさを教えてくれます。イベールは20世紀前半を代表するフランスの作曲家で、魅力的なクラシック作品を次々と世に送り出す一方、劇伴音楽や映画音楽も手がけていました。サクソフォンのコミカルな側面をよく知っていたからこそ、このような楽しい協奏曲が完成したと言えるでしょう。1935年に完成し、当代随一の名手、シガード・ラッシャーに献呈されています。
タイトルの「カメラ」とは「(室内楽に適した)コンパクトな空間」を表す語で、原曲は小規模のオーケストラとともに演奏されます。本日演奏されるのは、サクソフォン研究家ジャン=マリー・ロンデックスがオーケストラ・パートをサクソフォン合奏に編み直した版で、6種類11本のサクソフォンが独奏パートに華を添えます。

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