2012/04/06

ダッパーさん2011年演奏会のライヴCD/DVD

不在連絡票…差出人不明の封筒…なんだなんだと思っていたのだが、本日到着して思い出した。ダ、ダッパーさんの演奏会ライヴDVD!お願いしたのはかなり前だったため、すっかり忘れてしまっていたのであった。CD/DVDの豪華2本立て。オフセット印刷のジャケットまで付属した、丁寧で美しいな装丁に驚いた。ビニルのキャラメル形式包装までかかってしまっているし…。どこかの業者さんにお願いしたのかなあ。

DVDは、曲名のみならず解説までキャプションとして入っており、情報量が多くて面白い。以下、DVDを観ながら書いた感想である。

幕前演奏は、オリジナルがATTBの「L-O-V-E」をバリトン四本で。これ、けっこうリズムも和声も難しくて大変なはずなのだが、バリトン四本での演奏は元のアレンジの魅力を別の方面から引き出すものだと感じた。演奏後の拍手がそれを物語っていると思う。誰のアイディアだったのだろうか?続いて白水徹氏の作品をふたつ。「音の刻-ねのこく-」と「soRa」。ミニマル・ミュージック風、さらにパフォーマンスまで付いた「音の刻」と、美しくバラードふうにまとめ上げられた「soRa」の対比が面白い。「soRa」は、香川大学の皆さんの演奏ということで、香川大学でもサックスが盛んなのかな、と勘ぐってしまった。

鈴木英史氏がアレンジしたサクソフォン四重奏のための「メリー・ウィドウ」は、これはあの有名な吹奏楽のアレンジに近い(ほぼ同じ?)ものだが、おなじみのメロディが次々と出現し、実に聴きやすい!爆速でキリッと演奏されると、かなり演奏効果は高そうだ。おなじみの「バラード・フォー・トルヴェール」も、相当にかっこ良く演奏されている。さらに印象深い「ミニアチュア・シンフォニー」は、ダッパーさんのブログではおなじみの"コラーゲン・カルテット"によるえんそうで、古庄氏を中心とした揺るぎない音楽作り、輝かしい響きが第一部を締めくくるにふさわしいものだと感じた。

第2部は、ダッパーさんの演奏を中心に。チャイコフスキアーナ(伊藤康英先生の、閃きに溢れた筆致!)で華々しくオープニングを飾り、ドラムスを加えて強烈な響きの「Some Skunk Funk」につながる。各プレイヤーも、かなり弾けたソロを展開している。第1回のサクソフォン交流会の時に受けたあの"遠慮しない"感じがひしひしと伝わってくる。そのテンションは次の浅利真編曲「情熱大陸」まで継続し、最後になんとデザンクロ「四重奏曲」全曲!昨シーズンのアンサンブル・コンテストで第3楽章を演奏したとのことだが、第1楽章・第2楽章も技術的に作りこまれており、貫禄の演奏だった。

第3部は、古庄氏の指揮で「イン・ザ・ムード」から。サクソフォン・オーケストラというレベルの大編成は、日本国内ではダッパーさんほど昔から取り組んでいた団体は数えるほどしか存在しないが、さすが、長年続けているだけの素晴らしさが隅々に聴かれる。予定調和的な部分と、思い切りの部分がバランス良く引き出されているのは、古庄氏の力によるところも大きいのだろうか。柏原氏の編曲による「アルメニアン・ダンス パート1」や、メインの大曲ホルストの「木星」、そしてアンコールに至るまで、その傾向は同じだ。

しかし、このサクソフォン・コンサート、いいなあ。やはりライヴで聴きに言ってみたいなあ、と思うのであった。

0 件のコメント:

コメントを投稿