SaxofanのKさんから、ドナルド・シンタ氏が演奏するインゴルフ・ダール「サクソフォン協奏曲」の演奏を聴かせていただいた。mckenさんのページに書かれていた文言を読んで以来、数年に渡ってずっと気になっていた録音だった。
シンタ氏といえば、アメリカのクラシック・サクソフォン界を、黎明期より支えてきた重要な人物だ。世界サクソフォンコングレスの創始者のひとりでもある。LP時代を含めてもそれほど録音は多くなくて、現在シンタ氏の演奏を楽しもうと思ったら、Mark Recordsから出版されている「American Music」くらいである。これも素晴らしいのだが、やはり「ダールの協奏曲の録音がある!」などと知ってしまえば、やはり気になるものだ。
ダールの録音は、もちろん管楽アンサンブルバックによるもので、ロバート・レイノルズ Robert Reynolds指揮、ミシガン州立大学ウィンドアンサンブルとの共演によるものである。この録音を聴いてまず感じるのは、そこらへんのダールの録音が聴けなくなってしまうほどの、ありえないほどの緻密なウィンドアンサンブルの演奏である(あまりに緻密すぎて、気持ち悪いくらい)。第3楽章の独奏パートとバンドの細かい音符のリレーなど、実に見事だ。どれだけリハーサルを重ねてこの境地へと達したのだろうか。逆に、プロフェッショナルの吹奏楽団よりも、大学バンドのほうが、一曲にかけられる時間が長い、ということはあるかもしれないが…。
そして、そのウィンドアンサンブルを見事に乗りこなすシンタ氏のサクソフォンである。大見得を切る冒頭の輝かしいフレーズは、ヘムケ氏のあの録音をなぜか思い出した。第2楽章の広大なフレーズも、実に見事なのである。この録音が一般的に知られていないのは、実にもったいないことだ、と思った。
ね、強烈でしょ。
返信削除まだ、サックスにうぶな中高生がこれ聞いたら
ぶっ飛びますよ。
キャトルロゾーの登場といい、当時の私にはとても良い刺激。あ、だから今道を誤っ。。もとい正しい道をすすんでるんだなっつと。
本当に強烈ですねえ。老若男女、いろんなサックス吹きの人に聴いてほしいです。
返信削除私も須川さん聴いて、続いてミュール聴いて、人生が変わってしまいましたが、後悔はしていませんよ!!(笑)