2011/02/20

箕輪町でQuatuor Bを聴いた!

金曜の夜に実家へと帰省し、土曜の日中をELP「タルカス」サクソフォン四重奏版のスコア作りとシルシルミシルの録画鑑賞に費やし、夕方から箕輪町文化センターに出かけて聴いてきた。実家から会場までは、車でたった10分(近い!)。会場近くには私が通っていた中学校もあるのだが、自転車でも25分くらいかければ行ける場所なのだ。

文化センターは、私が中学生のころに建てられた。現在の稼働率やら細かい情勢やらは良く分からないが、思い出の場所の一つであることは間違いない。落ち着いた響きの500人規模ホールが備え付けられており、演奏会を開いたり演奏を聴きに行ったりしたのだ。そういえば、箕輪中学校の吹奏楽部の第1回演奏会(今もやっているかどうかは知らない)は、ここだった。音楽とはあまり関係ないが、成人式もここだったな。

東京に出てしまった今、自分の出身の町の文化センターで、プロのサクソフォン四重奏団(しかもQuatuor B)の演奏を聴くなんて、ちょっと不思議な感じだ。

と、前置きが長くなったが、今日は自分+母親+妹2人で鑑賞。会場は、ほぼ満員!驚いた(この写真)。中学生のような感じの方から、ご年配の方まで、まんべんなくいろいろな世代の方が来場していた。全席指定でチケットは母にお任せでお願いしたのだが、なんと前から2列目(笑)。間近で音楽のシャワーを存分に浴びることとなった。

【Quatuor B Concert & Activity クワチュール・ベー コンサート】
出演:Quatuor B(國末貞仁、山浦雅也、有村純親、小山弦太郎)
日時:2011年2月19日(土曜)18:00開演
会場:箕輪町文化センター
プログラム:
W.A.モーツァルト - 歌劇"魔笛"序曲
J.ハイドン - 弦楽四重奏曲ヘ短調作品20-5
M.ラヴェル - ボレロ
R.ロジャース - ドレミ in Jazz
名探偵コナンのテーマ、ズルい女("べーかるぼっくす"による選曲)
石川亮太 - 日本の四季によるミニチュア・シンフォニー
~アンコール~
J.S.バッハ - G線上のアリア
高橋宏樹 - To "B" Continued

前半にクラシックの王道を2曲。「魔笛(どこでなにを勘違いしたのか、ずっとフィガロだとばかり思っていた)」と、当初グラズノフの「四重奏曲」が予定されていたが、残念ながらグラズノフは演奏されず、代わりにハイドンの「弦楽四重奏曲」が演奏された。サクソフォンから、まるでピリオド楽器のような落ち着いた響きを引き出した「魔笛」に始まり、MCをはさみながら和やかに進む。楽器紹介を含むトーク・演出もとても慣れたもので、客席の反応も良い感じ。

「弦楽四重奏曲」のこのアレンジ譜は有名だが、こうやってプロフェッショナルの団体が取り上げるのを聴くのは初めてかもしれない。もとが弦楽四重奏名だけに、ハイドンの構造美を表現しようとすると難易度の高いスコアだが(どうしてもサクソフォンでやると、色物系に走ってしまいがち)、Quatuor Bは高い技術と音楽性で、「ハイドンらしさ」を確実に聴き手へと届けていた。

後半は、打って変わってポップなステージ。まずは、暗闇の中始まるボレロ。サックスのベルにライトをつけて、客席のドアから4人それぞれが入場しながら、ステージへと終結。一気に第2部の雰囲気に引き込まれた。高橋宏樹氏の新作(?)アレンジである「ドレミ」は、これもまた想像を超えたカッコよさ(サキソフォックス・シリーズにラインナップされないかなあ)。四人それぞれが、クラシックだけでなく、ポップな音楽をガンガン吹きこなせるパワーを持っているのだ…楽しくないはずがない。客席も手拍子が飛び出たりと、沸く、沸く。

続いて"べーかるぼっくす"。ジュークボックスはコインを入れてボタンを押すことで演奏曲を決めるが、べーかるぼっくすは、客席からの拍手で演奏曲が決まるのだ。まずはアニメ音楽。「アンパンマンメドレー」「サザエさんメドレー」「ルパン三世」「名探偵コナンのテーマ」から、一番拍手が大きかった「コナン」を(山浦さんが喝采を浴びていた)。そして後半は歌謡曲。「ズルい女」に興奮し過ぎて、他に何があったか良く覚えていないのだが、いやー、Quatuor Bの「ズルい女」をまさか箕輪町で聴けるとは思わなかったよ。嬉しかった。

最後は、CDにも収録されている四季折々の童謡をモチーフとした小交響曲風作品。一つの楽章ごとにスタイルが全く違うのだが、実演を聴くと、さらにその楽章ごとの性格の違いがはっきりとわかって面白い。「四季メドレー」といえば野村秀樹編のアレだが、こちらも今後流行るんじゃないかな。アンコールに「G線上のアリア」、そして「To "B" Continued」。「To "B" Continued」は、最初聴いた時あまりピンと来なかったが、こうやってアンコールとして聴けばなるほど納得の曲調、スタイル。手拍子も交えながら、楽しく終演となった。

終演後は、CDを買い求める人、サイン会でロビーが大混雑。皆さんとゆっくり話したかったが、さすがに無理そうで、差し入れだけ渡して早めに退散(^^;

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