2011/01/03

JASRACからの請求:顛末

以前、2年前の演奏会に対してJASRACから演奏料の請求があった話を紹介した。初めてJASRACからコンタクトがあったときに、次のような説明を受けた。

「入場料無料のアマチュアの演奏会にゲスト(ギャラあり)が出演し、その演奏会にJASRAC管理曲目が含まれていた場合、その管理曲目に対して演奏料がかかる。」

請求のきっかけとなったTsukuba Saxophone QuartetのSaxophone Concert Vol.2を例にして考えてみよう。同演奏会は、次のようなプログラムだった。

客演(*):松雪明
C.サン=サーンス「オーボエ・ソナタ」(ssax, pf)
C.A.ドビュッシー「チェロ・ソナタ」(bsax, pf)
J.t.フェルドハウス「Grab It!」(tsax, ghettoblaster)
J.フェルド「サクソフォン四重奏曲」より1,5(4sax)
*A.K.グラズノフ/柏原卓之「サクソフォン協奏曲」(solosax, 8sax div)
*G.ホルスト/TsukubaSQ「セント・ポール組曲」(8sax div)
*伊藤康英「木星のファンタジー」(8sax div アンコール)

このうち、JASRACの管理楽曲は、フェルドハウス「Grab It!」、A.K.グラズノフ「サクソフォン協奏曲」、伊藤康英「木星のファンタジー」である。上のJASRACの説明からすると、この3曲全てについて演奏料がかかることになる。フェルドハウス「Grab It!」においてはゲスト奏者が客演していないにもかかわらず、である。納得がいかなかったのだが、演奏料も安いし、交渉すればするだけ時間が無駄になってしまうしで、結果的にマイナスの側面のほうが大きかったため、疑問を言うだけ言って大人しく支払うことにした。

ということで、上の説明を鵜呑みにして(だって、著作権云々に関しては、相手はプロフェッショナルですからね)、請求書を待ち構えていたところ、なななんと!請求書の到着とともに別の説明を受けた。それによると、上の説明は間違っており、正しくは次の通りだとのこと。

「入場無料のアマチュアの演奏会にゲスト(ギャラあり)が出演し、ゲストがJASRAC管理曲目を演奏した場合、その対象楽曲に対して演奏料がかかる。」

つまり、演奏料がかかるのはA.K.グラズノフ「サクソフォン協奏曲」、伊藤康英「木星のファンタジー」だということだ。以前の記事、私自身の知識のなさを嘆いたが、まあ、著作権のプロフェッショナルであるJASRACの職員にしてこの程度の知識で仕事をしているくらいなのだ。これがプロの仕事か?…かなりイラッとしつつ、とにかく無知は罪であるとの思いを強くした出来事であった。

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