2010/12/06

JacobTV Show@原宿VACANT

【JacobTV Show】
出演:大石将紀、西本淳、江川良子、冨岡祐子(以上sax)、有馬純寿(sound ope)
日時:2010年12月1日(水)19:00開演
会場:VACANT
プログラム(全てJacobTV作品):
Pitch Black
Postnuclear Winterscenario No.10
White Flag No.4
Grab It!
KAKU
Syracuse Blues
BUKU
The Garden of Love
The Body of Your Dreams
Broken Dreams(アンコール)

だいぶ時間も経ってしまったが、12/1に原宿VACANTで行われたJacobTV Showについて感想というかレポートというか…を書いていく。まず最初にひとつ、本当にエキサイティングな経験であった、ということを言っておきたい。ニューヨークをはじめとして世界中でJacobTVのポートレートコンサートが開かれているが、当然ながら日本国内では初めての試み。私はJacobTV作品の大ファンであるので、それはもう期待・期待・期待という感じで伺ったのだが、その期待を超える素晴らしい一夜であった。

「この演奏会を聴けて良かった!」とは、なかなか心から思えるものではないが、演奏会が終わって渋谷駅に向かって歩いているときの満足感・充足感といったらなかった。この催しに携わった全ての関係者に、まずは心より御礼申し上げたい。

さて、それでは当日の様子を。竹下通りを抜けた先にあるVACANTだが、この日は大盛況。あまりに人が来すぎて受付手続が追いつかず、なんと40分遅れてのスタートとなった(さすがにその段取りの悪さはどうかと思ったのだが、続く演奏でそんな不満も打ち消されてしまった)。会場内はこの写真に示すように長い椅子に観客が向い合って座り、前と後で演奏が行われる、といったふう。必ず右か左かを向いて演奏を楽しむことになる。

最初は「Pitch Black」。おそらく、日本で初めて演奏されたJacobTVのBOOMBOX作品である。大石将紀さんもその日本初演に携わっていたそうだ。ブルージーなサクソフォンの音運びをこれでもかと表現する4本のサクソフォン。そして音響とのバランスの良さ(有馬氏の手腕による部分が大きいのだろう)。さらに四重奏での演奏が続くが、「Postnuclear Winterscenario」のようなゆっくりとした曲でも、音楽の流れはますます濃密となり、聴き手を惹きつけていた。

前半最後は「Grab It!」を大石氏のソロで。これがめちゃくちゃかっこよかった!実演で聴いた「Grab It!」のなかでは、これまでで最高の演奏だったかもしれない。サウンドトラックとの完璧なリズムの一致、ハードな音色の変化など、演奏後には客席も大盛り上がりだった。

後半は、日本語の某大物政治家のスピーチを利用した「KAKU」から。主張もかなり激しい内容なのだが、それをコラージュしてしまえばあっという間にJacobTVの音楽へと早変わり。西本淳さんはなんとバスドラムをたたきまくる。さすがに客席も沸いたなあ(笑)これは、ビデオと一緒に観れば、さらに楽しいぞ。「Syracuse Blues」も楽譜からはどんな曲であるか想像がつかなかったのだが、演奏の完成度と相まってちょっと感動的なほどのメッセージ性を備えた演奏に仕上がっていた。

アルトサックスとゲットブラスターの「BUKU」は、まるでサウンドプロセッシングされているかのような音響バランスの取り方。これはサクソフォンもかなり技巧的に難しいが、こちらも完璧…(ブーレーズ作品を吹いてしまうような大石氏のことだから、向かうところ敵なしなのだろう笑)。聴いている間、鳥肌が立ちっぱなしであった。最後は、健康ベルトのCMを題材にした「Body of Your Dreams」。うーん、日本のテレビショッピングをJacobTVにミックスして欲しい(笑)。

「Body of Your Dreams」に続くアンコールに「Broken Dreams」、という選曲もエスプリが効いていて素晴らしかった(^^;ということで、とても充実した演奏会だった。今後もますますJacobTVの作品が日本国内で認知されていくと良いな。

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