2010/09/23

山下洋輔ビッグバンドを聴いた

昨日仕事が終わったあとに、渋谷のオーチャードホールにて山下洋輔ビッグバンドを聴いてきた。実は、一日前までそんなライヴがあるなんてことも知らなくて、かなり突然の予定だった。チケットの都合をしてくれた友人、というか盟友に感謝。それにしてもオーチャードホールの場所は解りづらい!うっかり109を左側に進んでしまったところ、完全に迷って引き返す羽目になった。

会場で友人たちと合流し、ホール内へ。オーチャードホールなんて、いつ以来だろうか。平日の夜ということで満席とはいかなかったみたいだが、2000席を超えるホールが8割から9割の入り。

メンバー:
山下洋輔(pf.)
金子健(bs.)
高橋信之介(drs.)
エリック宮城、佐々木史郎、木幡光邦、高瀬龍一(tp.)
松本治、中川英二郎、片岡雄三、山城純子(tb.)
池田篤、米田裕也、川嶋哲郎、竹野昌邦、小池修(sax.)

わわわ、なんという豪華なメンバー!それぞれのミュージシャンが、大小編成バンドのフロントを張ることができるくらいの豪華布陣だった。全ての作品のアレンジは、松本治氏だったようだ。

セットリスト:
Rockin' Rhythm
All the Things You Are
A Night in Tunisia
Bolero
First Bridge
Memory is a Funny Thing
幻燈辻馬車
Rhapsody in Blue
It Don't Mean a Thing(アンコール)

山下洋輔の演奏は、きちんと聴くのは初めてだ。自分の中では「日本を代表するフリージャズ界の大物ピアニスト」という程度のイメージしかなかった。一番最初に"山下洋輔"という名前に触れたのは、茂木大輔に献呈されたオーボエ無伴奏曲「レディ・ラビットへの手紙」だったかもしれない。実際に聴いてみるとものすごくパワフルな演奏をする方だ。さらに、独特の音運びとか、クラスター奏法のジャズへの応用とか、これぞ山下洋輔!と感じさせるような個性もあって、とても感銘を受けた。ビッグバンドの方も、テクニカルかつ浮遊感があるアレンジであった。特に一曲目など、重心がホールのあちらこちらへと飛び回っているような感覚を覚えた。

「チュニジアの夜」はカッコよかった!この曲だけはコンボバンドでの演奏だったが、川嶋哲郎(ここではソプラノサックス)が吹く吹く!ビッグバンドの中に、こういった小編成のプログラムがあると、爽快なスピード感を感じられる。ちなみに、ビッグバンドのライヴでコンボバンドを取り上げる、というアイデアは、グレン・ミラー楽団(うろ覚え)から引用したものだそうだ。前半最後のボレロ(某氏には"脱臼したボレロ"と絶賛されたそうな)も、なかなかコンテンポラリーというかクロスオーヴァーというか、最初はさすがに驚いたが、最終的には原曲の部分に戻ってくるという、一筋縄ではいかない構成(^^;

後半は、山下洋輔の自作が3曲。アレンジのせいもあるのかもしれないが、かなりキメキメのかっこいい曲。スタンダードナンバーに比べると、比較的原曲に忠実なアレンジなのだろうな(笑)。トリの「ラプソディ・ン・ブルー」は、どんなスタイルなのかなあと思ったら、最初の部分こそオリジナルに忠実な進行だったものの、途中からハチャメチャ、原曲の各セクションをソロによって存分にextendした長大な交響詩、といった趣。おそらく、20分以上は演奏していたんじゃないかな?すごかったなあ。

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