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先日の雲井雅人氏のリサイタル会場で見つけて、購入したDVD「オーティス・マーフィ×雲井雅人サックス四重奏団 ジャパン・ツアー2009(Brain Music BOD-3095)」。前々から気にはなっていたものの、会場では3000円で売られていて(定価は3980円)ラッキーだった。
この演奏会、なぜだか忘れてしまったけれど伺うことができなくて、そして後から演奏会がすばらしかったということを人づてで聞き、悔しい思いをしたものだった。それにしても、DVDが制作されていただなんて、本当に発売されるまで知らなかった。それだけ、注目されていて、DVDを発売したときに売れる見込みがあるほどの演奏会だったということだ。だから、非常に良い映像、良い音質で収録されており、観応えは十分。そういえば、フルモー氏のDVDもまだ買っていないな…(あれは、記録映像として撮ったつもりが、反響が大きすぎて急遽発売に至った、というような経緯でDVD化されたはず)。
G.ガーシュウィン/R.マルティノ - ガーシュウィン・ファンタジー
山田耕筰/伊藤康英 - 赤とんぼ
A.パスクッリ/K.チェ - 蜂
R.モリネッリ - ニューヨークからの4つの絵
A.I.ハチャトゥリアン/A.ボーンカンプ - 剣の舞
新井満 - 千の風になって
D.マスランカ - マウンテン・ロード
W.A.モーツァルト/和久井仁 - オーボエ四重奏曲より第1楽章
E.モリコーネ/柏原卓之 - ガブリエルズ・オーボエ
秋透 - 3つの富山県民謡より第1,3楽章
伊藤康英 - 琉球幻想曲
B.エヴァンス - ワルツ・フォー・デヴィ
前半がマーフィー氏の独奏曲で、後半が雲井雅人サックス四重奏団の演奏。共演曲は、モーツァルト、伊藤康英「琉球幻想曲」と、アンコールとなったエヴァンスの「ワルツ・フォー・デヴィ」。
マーフィ氏の演奏は、最近ようやく生で聴く機会も増えてきたが、かつてRIAXから発売されていた初期のCD「Memories of Dinant(RIAX RICA-2004)」の印象が強かったため、初めて聴いたときは驚いたっけなー。近年の演奏はとにかくアツイ!のですよ。長い演奏活動の中で、少しずつ演奏のスタイルを変えてきた結果だと思うし、レコーディング⇔ライヴ、という媒体の違いもあろうが、それにしてもすごいな。
一曲目のガーシュウィンから、奥様の晴子・マーフィーさんとともに飛ばしまくり。大曲である「ニューヨークからの4つの絵」を1つの物語のように聴かせ、さらにハチャトゥリアンでは聴衆へのサービスも忘れず。演奏もレパートリーも、素晴らしいバランスだ。また、曲間に幾度かインタビューが挟まれるのだが、ただただ誠実で優しい人柄が言葉の隅々から溢れ出る。やはり音楽は人柄!カメラがかなり近くまで寄るため、奏法などをしっかり確認できるのも面白い。知り合いのサックス吹きの方もおっしゃっていたが、すごいアンブシュアだなー。決め所などでも全体的に音を低めに当てていくのは、アメリカのサクソフォン奏者の系統を受け継いでいる部分だろう。
前半だけでかなり満足してしまうのだが、後半冒頭、脳天からカミナリが落ちるような「マウンテン・ロード」の冒頭!ピタリとはまった純正律の響きは、これほどまでにパワーを持つものなのか!すでに幾度も演奏している「マウンテン・ロード」だろうが、雲井雅人サックス四重奏団の演奏はいつ聴いてもスリリングで興奮させられる。共演曲も楽しいですね。端正だが、光り輝くような音に溢れたモーツァルト(アレンジャーが和久井仁氏というのも凄いな…)、そして問答無用の「琉球幻想曲」はなんとサックス5重奏+ピアノという豪華絢爛な編成。これは、ヴァイオリンとサクソフォーン四重奏とピアノ版、という編成の楽譜を使っているのかな?アンコールの「ワルツ・フォー・デヴィ」
DVDの特性を非常に上手く生かしていると思った。演奏者の息遣い、会場の雰囲気が伝わってきて、クラシック・サクソフォンモノのなかでも、とても観る価値のあるメディアのひとつだ!まだ観ていない方は、ぜひどうぞ。Amazon購入ページへのリンク→こちら。
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