2009/12/18

ダニエル・デファイエの生徒たち(その16)

[1983]
新作課題曲:
Pierre Ancelin - Saxophonie
1er prix:
Fabrice Moretti
Claude Héraud
Hervé Saillard
Bernard Guillaume

ファブリス・モレティ氏だ!フランスのナンシーに生まれ、ナンシー音楽院で、デファイエQのバリトン奏者としても著名な、名手ジャン・ルデュー氏に学んだ。16歳でパリ国立高等音楽院に入学、卒業時には、一等主席の他、審査員特別賞を受賞している。この審査員特別賞というやつは、なんでもパリ音楽院サクソフォン科の歴史上、ロンデックス氏とモレティ氏しか受賞していないということだから、驚き。コンクールの入賞歴としては、何といっても第1回アドルフ・サックス国際コンクール@ディナンでの第3位入賞が有名(第1位:ヴァンサン・ダヴィッド、第2位:ファブリツィオ・マンクーゾ)であり、その他にも数々のコンクールで入賞しまくっている。現在は、パリ市立ベルリオーズ音楽院教授。今はもうおそらく解散してしまった、ジャン・ルデュー四重奏団のソプラノサクソフォン奏者だった。

モレティ氏の演奏は、驚異的だ。テクニックがものすごいとか、高潔な美しい音色をしているとか、今はもうメインストリートから外れてしまった往年のフレンチストイルを受け継いでいるとか、素晴らしい点を挙げていったらキリがない。数年前に初めて生演奏を聴く機会に恵まれたが、そのときは本当に感動したものだ。聴きにはいけなかったのだが、今年も来日してD-SAXとイベールの「コンチェルティーノ」を演奏したそうだ。

モレティ氏のアルバム「SONATA!(Momonga Records)」。フランスのプレイヤーでフランスの作品、かつ手に入りやすい音盤、ということだったら、真っ先におすすめするCD。「プロヴァンスの風景」や「PCF」といったスタンダードな作品から、サンカンやリュエフ、服部吉之先生とのデュオで演奏されたベルノーなど、ちょっとマニアックな曲が入っているのも、良い。以前レビューした記事もご覧頂きたい。

…ということで、モレティ氏に関する記述が多くなってしまったが、この年の課題曲はPierre Ancelinの作品。1934年の生まれで、サクソフォンに関する作品はこの「Saxophonie」一曲しか書いていないそうだ。

Claude Héraud氏は、五重奏団 Atout Saxのメンバーとしての記述を見つけた。Clermond-Ferrand音楽院教授。この五重奏団、CDも出しているはずだが、今は活動していないのかな。Hervé Saillardとともに、Quatuor Ars Gallicaのメンバーでもあるそうだ。Bernard Guillaumeについては、際立った情報を見つけられなかった。

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