デファイエ氏絡みで…。
木下直人さんを通じてお知り合いとなった栃木県のO様より、デファイエ氏が初来日したときの録音、というものを送っていただいた。初来日…すなわち、1964年の録音である。この時は、リサイタル等は行わず、いくつかの音楽大学でマスタークラスやクリニックを行ったようだ。このあたりの描写は、Thunderさんのページに詳しい。
この初来日の際、東洋大学を訪れてサクソフォンに関するクリニックを開いたというのだが、その録音が残っているというのだ。この話を聴いたときは大変驚き、「聴いてみたい!」と強く思ったのだが、O様のご厚意によりダビングしたものを送っていただいた。O様には感謝申し上げたい。ちなみにLR両チャンネルへの拡張は、木下直人さんによってなされたとのこと。
東洋大学に訪問したのは、デファイエ氏、クラリネットの稲垣征夫氏、そしてデファイエと言えばこの方、おなじみビュッフェ・クランポンの保良徹氏である。東洋大学吹奏楽団による歓迎演奏…プランケットの「サンプル・エ・ミューズ連隊」と、フレッチャーの「スピリット・オブ・ページェントリー」の後、デファイエ氏の紹介、サクソフォンという楽器に関する短いレクチャー、サクソフォンのオリジナル曲からのフレーズ抜粋(無伴奏)、質問コーナー、といった具合。演奏されている曲のリストは、以下。
G.ビゼー - 「アルルの女」第一組曲より
C.ドビュッシー - ラプソディの冒頭
P.ボノー - 「組曲」より第1楽章"即興曲"
J.イベール - コンチェルティーノ・ダ・カメラから第2楽章(緩徐部分)
およそ50年ほども前の録音ということで、録音状態は必ずしも良いとは言えないのだが、それにしても貴重な記録である。抜粋されたフレーズの、どこまでも瑞々しく溌剌としていること!録音セッションとは違う、臨場感だとか覇気だとか、そういったものを強く感じ取ることができた。
はじめまして。高校以来、デファイエに憧れる47歳会社員です。ふと、デファイエ初来日の折り、東洋大学を訪れた話を思い出し、こちらのブログに辿り着きました。
返信削除私は栃木県の出身ですが、上記の「O様」は私も存じている可能性が高く、投稿させて頂きました。
私にその話を聞かせてくれた「Oさん」は東洋大学のOBで、当初は「デファイエ」と読めず、「デファイエット」と思っていた、バンドのメンバーの前でオーケストラスタディを吹いた、等を伺った記憶があります。
当時の録音が残っているとは驚きです。
私事ですが、デファイエ没後10年の本年、長年憧れていたビュッフェのS-1アルトを入手しました。彼のソロ録音をもっと聴きたいものです。
以上、長文失礼致しました。
※パイパーズ誌における、ラッシャーの記事も大変興味深く拝見しました。
コメントまことにありがとうございます。貴重なお話、ありがとうございます。Oさんにははお世話になってばかりです。つい先日一緒に飲みましたがが、たしかに一度お会いすれば忘れることができないキャラクターを持つ方ですね。
返信削除面白いところでつながるものだなあと思っています。これもデファイエ氏の取り持つ縁でしょうか。今後ともよろしくお願いします。