2009/11/16

ダニエル・デファイエの生徒たち(その6)

[1973]
新作課題曲:
Pierre Sancan - Lamento et Rondo
1er prix:
Daniel Cochet
Jean Pierre Caens

新作の課題曲は、ピエール・サンカンの「ラメントとロンド」。そう、この曲って、パリ音楽院の卒業試験曲だったのですよね。デファイエ氏が教授職に就いていた期間に、卒業試験に際して委嘱された作品中では、現在においてレパートリーとしてもっとも高い地位を獲得している作品ではないだろうか。録音も多く、モレティ氏、武藤賢一郎氏、ドゥラングル氏、フルモー氏という、パリ音楽院卒のスタープレイヤー達が、自分のアルバムに吹きこんでいる。ちなみにだが、オーケストラ版もあるそうで(聴いたことない…)。

私にとっては、サンカン=「ラメントとロンド」という風に結びつくのだが、ピアニストとしての活躍も有名。いつだったか、ラヴェルの「ピアノ協奏曲」の録音をいろいろと探していたときに、サンカンが独奏を務めた録音というものもあり、その存在を知った時は驚いたものだ(→ここから聴けます。上手い!)。作曲家としては、フルートのための作品が有名だが、たとえばピアノのためにこんなに可愛らしい小品(→ここから聴ける)も書いている。

Daniel Cochetは、1972年卒業のChristian Charnayと同じく、セルジュ・ビション氏率いるQuatuor de saxophones Rhône-Alpesのメンバー(アルト奏者)としての名前があった。

Jean Pierre Caensは、なんとモロッコ生まれのプレイヤー。1948年生まれということだから、やはり外国人は少し年齢が上になる傾向があるな。ディジョン音楽院でジャン=マリー・ロンデックスに師事したのち、パリ音楽院のデファイエクラスに入学した。在学中に、1970年のジュネーヴ国際音楽コンクールで、入選を果たしている。比較的早い時期からBesançon音楽院教授をつとめ、さらに1995年からはAix-en-Provence音楽院の教授職にもついている。現代作品に造詣が深く、N. Zourabichvili de Pelkenというという作曲家から、「Pointillés」というサクソフォンとテープ音楽のための作品を、1974年というサクソフォン界としては比較的早い時期に献呈されている。

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