2009/10/19

Vincent Abato plays Creston's Sonata

ヴィンセント・アバトという奏者の名前を知ったのは、この記事を読んだとき。ミュール、ラッシャー、デファイエ、ロンデックスという良く知られた名前に加えて、「…アバト。アバト??」と首をひねったものである。アメリカにこんなプレイヤーがいたことへの驚き、しかし音を聴くことが叶わず、ずっと聴きたいと思っていたプレイヤーの一人だった。

ジュリアード音楽院に学び、クラリネット、バスクラリネット、サクソフォンを専門とした演奏家。ロサンゼルス・フィル、ボストン・ポップス、ニューヨークフィル、メトロポリタン歌劇場オーケストラなどと共演したという経歴が見られ、セシル・リースンやラリー・ティール(アバトのほうが10歳ほど年下だが)らとともに、まさにアメリカのサクソフォン黎明期~中期を代表するサクソフォン奏者であったといえるだろう。クレストンの「サクソフォン協奏曲」を初演したのも、アルフレッド・リードが有名な「バラード」を捧げたのも、アバトである。

島根県のF様にダビングして送っていただいた録音は、そのアバトがポール・クレストンの「ソナタ」を吹いているというもの。驚いたことに、ピアノを弾いているのはポール・クレストン自身(!)である。コロンビアレーベルのディスクで、ML 4989という型番が付いている。さっそく聴いてみると、なるほど、誰の耳をも納得させる、そして誰の耳をも惹きつける演奏だ。ときどき見られる「ニュートラル」という表現とは違うような気がするし、なんだか不思議な魅力があるなあ。快速で飛ばす第3楽章は、とにかく楽しい。

4 件のコメント:

  1. をを、島根県のF様ってどなたなんでしょう?!
    (私は知ってる方なのかどうなのか…)

    返信削除
  2. > 京青さん

    サックス関係の方、ということでもなく、さまざまなクラシックのレコードを収集されているようです。最近、このブログの縁で情報交換するようになりました。

    返信削除
  3. LPでAbatoのイベールとグラズノフのコンチェルトが入ったの、持ってるけど、すごくいいですよ。

    返信削除
  4. > 221さん

    ええ!それも送っていただきました!今度ご紹介する予定でしたが、サックスもそうですが、オケも非常にいいですよね。

    返信削除