2009/09/02

Ed Bogaard氏のLP

かつて独Telefunkenから出ていたEd Bogaard氏のLPをトランスファーしたものを、上田卓さんより送っていただいた。このブログでも何度か取り上げている通り、Ed Bogaard氏はオランダのサクソフォン奏者で、あのアルノ・ボーンカンプ氏の師匠にあたる。存在だけは知っていたのだが実際にLPは所有しておらず、貴重な録音を提供してくださった上田さんには感謝申し上げたい。

Jules Demersseman - Fantaisie
Alexandre Tcherepnin - Sonatine sportive
Jenö Takács - Two Fantastics
Paule Maurice - Tableaux de Provence
Darius Milhaud - Scaramouche

ピアノは、Ton Hartsuikerというオランダの奏者で、ユトレヒト音楽院、アムステルダム音楽院等で教鞭をとっていた(とっている)とのこと。

ストレートな息の入り方や、高速なフレーズを怒涛の流れで切り抜けていく演奏の様子は、弟子のボーンカンプ氏の演奏を想起させる。というか、このボーンカンプ氏の演奏スタイルは、まさに師匠から受け継いだのだな、ということが良くわかる。ドゥメルスマンの「ファンタジー」の最終部、おお、これはもしかしてDevil's Ragの演奏よりもずっと速いんじゃないのか(笑)。

ジェノー・タカクスというハンガリー生まれの作曲家の「Two Fantastics, Op.66」も興味深く聴いた。第2楽章など、ジャズやロックの影響下にあるフレーズが畳みかけられたと思えば、突然第1楽章のエコーが聴こえてきたりと、知名度の割にはかなり充実した作品に思える。最後は再びフリーキーに!

すでに聴きなれたチェレプニン、モーリス、ミヨーの作品群は、例えばミュールやデファイエのような決定的録音からするとやや分が悪いのかもしれないが、なんとなく素朴で憎めない演奏だ。全体的な録音のバランスが少し面白くて、サックスよりもむしろピアノのほうが輪郭がはっきり聴こえる。サックスは、ちょっと遠くから聴こえるようなイメージ。それがどの曲でも面白く作用していて、曲の新たな一面を引き出しているとも感じた。「プロヴァンスの風景」なんて、まるでサックスがオブリガートのような不思議な演奏だ。

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