楽しみにしていたモルゴーアQを聴いてきた。弦楽四重奏の演奏会なんて、いつもは非常にアウェイな感じなのだが、今日はなぜか見知った顔がたくさん…福井健太さん、田村真寛さん、等々。珍しいことだ。
【モルゴーア・クァルテット Dolce Live Vol.2】
出演:モルゴーア・クァルテット、十亀正司(いろいろ)
日時:2009年9月29日 19:00~
会場:ドルチェ楽器管楽器アベニュー東京
プログラム:
Karl Jenkins - String Quartet No.2 Mov1, 5
Miles Davis - All Blues
Nikolai Kapustin - String Quartet No.1 Mov1, 4
Theronious Monk/Eiji Arai - Theronious Monk Medley
Joseph Kosma, Jacques Prevert/Saito "Neko" - Autumn Leaves á la Eric Dolphy
- Intermission -
David Hellewell - Quartissimo No.1, Op.108
Jun Nagao - Led by Led Zeppelin Mov.1
John Lennon, Paul McCartney/Eiji Arai - Here There and Everywhere
Metallica/Eiji Arai - Master of Puppets
Eric Riegler/Saito "Neko" - The B-52
- Encore -
Chick Corea - Crystal Silence
いやあ、もう最高だった!モルゴーアを聴くのは、これで2回目か3回目くらいなのだが、クラシックだろうが、こういった紙一重な(?)プログラムだろうが、毎回とても感動する。普段私自身が触れているのが管楽器なのだか、なおさらのことだ。
変拍子ミニマル色に彩られたジェンキンスの弦楽四重奏曲からの抜粋は、今まで経験したことのない新しい響きだった。ここで一気に会場の熱気が高まって、まさにライヴ会場といった雰囲気に変化。マイルス・ディヴィスの「オール・ブルース」では、弦楽器の特性を発揮した、終結部の繊細な表現に涙した。ちょっと驚いたのがカプースチンの「弦楽四重奏曲」からの抜粋で、てっきりルイ・アンドリエセンの「Facing Death」あたりのような、ばりばりのビ・バップ系を予想していたら、以外にもクラシックとしての堅牢な構成感をもった作品で、良い意味で裏切られた。どこまでも続くテンションの高い演奏に、ぐいぐいと引き込まれてしまった。
セロニアス・モンクのメドレーは、1st Violinの荒井英治さんの編曲。モンクのメロディの美しさを、そのまま弦楽四重奏で表現した(とご本人がコメントしていた)アレンジで、美しくもどこか不安定な、モンクのメロディを堪能した。所収されていたのは、ラウンド・ミッドナイト、ルビー・マイ・ディア、ウェル・ユー・ニードント、ブリリアント・コーナー、セロニアスである。そしていよいよ十亀氏を迎えての演奏!十亀氏は、バスクラリネットを携えて現れ、「枯葉」のコードに乗って自由闊達に叫び、唄い、すすり泣く。「エリック・ドルフィ風」のタイトルは伊達ではなく、アレンジ、演奏共にまさに圧巻だった。
後半は、よりロック色の強い作品。ヘリウェルの「クァルティッシッモ」は、様々な音楽のジャンルをロンド形式で横断する、これまた面白い作品。さらにパワーアップしての「レッド・ツェッペリンに導かれて」は、なんと演奏会で披露されるのは初めてなのだそうだ、今日は第1楽章だけだったが、第3楽章こそ聴いてみたいなあ。「ヒア・ゼア・アンド・エブリウェア」でしっとりしたあと、メタリカ「マスター・オブ・パペッツ」!!かっくいー!内部へ内部へと掘り進みながら、中心で一気にエネルギーが爆発する様を見るようだった。
さらに続いて、ケルト・ロックのBad Haggisのナンバーから、「The B-52」!おなじみのバグパイプを携え、さらに民族衣装に身を包んで現れた十亀氏のソロが冴えわたる。大喝采。アンコールに、なんと「クリスタル・サイレンス」!十亀氏のソプラノサックスは、まさにあのジョー・ファレルの音そのものだった。
というわけで、久々のモルゴーア体験もまた、素敵だった。たまにはこういうのも聴かないとね。
うはー!このプログラムはすごいですね!
返信削除> れっど
返信削除モルゴーア・クヮルテットは、正真正銘の日本を代表するクラシックの弦楽四重奏団なのだけど、本人たちはクラシックと同じくらい、プログレやらジャズやら大好きなんだよね。だから、思い入れが伝わってきて、聴いているほうも本当に楽しいのだ。
今度はメタリカの「One」を聴いてみたいなあ。