2009/08/13

Lev Mikhailov plays Glazounov

アレクサンドル・グラズノフの「協奏曲」も「四重奏曲」も、作曲家がロシア生まれでありながら、実際にロシアのプレイヤーに演奏されることは少ない。そもそも、ロシアのサクソフォン教育システム自体、グネーシン音楽大学にサクソフォン・クラスが設立されるまでは(教授はマルガリータ・シャポシュニコワ Margarita Shaposhnikova氏)、ほとんどなされていなかったわけで…。


ところが、レヴ・ミハイロフという奏者がグラズノフの「協奏曲」と「四重奏曲」を吹き込んだLPで、ずっと昔にオークションで落としたもの。5ドルくらいで落札したのだが、送料が20ドルかかるといわれてたまげたのも、いまとなっては昔の話&笑い話。正確には判らないのだが、出版が1977年と書いてあるので、おそらくそのころの録音である。

ミハイロフという人は、ロシアのサクソフォン吹き…というか、本職はクラリネット吹きであるそうだ。だからということでもなかろうが、太い素朴な音色で奏でられるグラズノフ「協奏曲」は、たとえばフランスや日本の奏者にはないタイプの演奏で、初めて聴いた時はたいへん新鮮に感じた。オーケストラのルバートっぷりも素晴らしくて、これぞまさにロシアのオーケストラではないか!さらに追い打ちをかけるような、パチノイズたっぷりのMelodiyaのプレス!笑。やっぱ本場は違うなあと(?)感じ入ったLP。

昔、柏原卓之氏編曲のグラズノフ「協奏曲」のバックを演奏したときに、参考演奏として配布したのがこのLPの音源だった。フランスのプレイヤーの演奏は、少々綺麗すぎてしまって、それはそれで好きなのだが、そこまで極めるならば、アントニオ・フェリペ氏くらい流麗な演奏を聴いてみたいし…。ロシアのサクソフォンの歴史の一端を担うこの録音、一度聴いてみて損はないと思う。

2 件のコメント:

  1. はい、ミハイロフ氏のグラズノフ、私も結構好きです。
    ご存知のとおり、サクソフォン作品を書いた頃のグラズノフは実質フランス人なわけですけど、このロシアの朴訥で重心の低い演奏も興味深いです。
    先日、チェコの奏者によるグラズノフの協奏曲の60年代の録音(指揮はスメターチェク)を聴きましたが、ソビエトの香りがするのが興味深いです。

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  2. > mckenさん

    Fantastic Classical Saxophone見ました!Karel Krautgarnter氏の演奏ですよね。ちょっと興味あります。

    こういうグラズノフの演奏を聴くと、やっぱりフランスの響きで聞くよりも、ロシア(というか東側)のザラザラした弦楽器の響きで聴いてみたいなあと思ってしまいます。他のロシア人奏者の録音が、どこかに残っていないものでしょうか。

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