2009/07/15

Trio Saxiana日本公演のプログラム

2009年7月6日、名古屋のザ・コンサートホールにてトリオ・サクシアーナ Trio Saxianaのリサイタルが開かれた。トリオ・サクシアーナは、2sax+pf.という編成で活動するフランスの団体で、サクソフォンがニコラ・プロスト Nicolas Prostとアンヌ・ルカプラン Anne Lecapelain、そしてピアノがローラン・ワグシャル Laurent Wagschalであり、2000年より活動している。CDもいくつかリリースされており、私も「Nachtgesang」というアルバムを所持している。このCDについては、以前レビューした

そのリサイタルを聴きに行くことはできなかったのだが、おなじみ京青さんよりプログラム冊子のカラーコピーを送っていただいたのだ。貴重なものであり、京青さんには感謝申し上げる次第。

サクソフォン2本とピアノ、という編成は、ここ最近隆盛の傾向がある。須川さんとケネス・チェ氏のデュオ、原博巳氏とジェローム・ララン氏のデュオ、塩安さんと平賀さんのデュオ、TrioYaS-375、阿吽等々。さらにアマチュアでも、Duo Green Greenという団体が活躍しているし、そういえば私も昨年くらいにこの編成で演奏したことがあったのだった(曲は、F.フェランの「パールサックス」)。こういう中で感じるのは、レパートリーが欠如していることである。そのため、プロフェッショナルの団体は、オリジナル作品を委嘱したり、アレンジを行ったりして、レパートリーの拡充に務めている。だって、いつまでもプーランクじゃあねえ…。

そんな経緯もあり、今回送っていただいたプログラム冊子で私が最も注目したのは、トリオ・サクシアーナのレパートリーである。これがまた驚くべきもので、さすが定常的に活動するアンサンブルは違うなー、というものである。プログラムのリストは、以下。

ティエリー・ペクー Thierry Pécou - 三重奏曲"ナヌーク" Nanook Trio
ティエリー・エスケシュ Thierry Escaish - 古風な幻想曲 Fantasia antiqua
フランシス・プーランク Francis Poulenc - 三重奏曲 Trio
クリスチャン・ロバ Christian Lauba - ポーギー・ストライド Porgy Stride
アーノルド・バックス Arnold Bax - 悲歌的三重奏曲 Elegiac Trio
アレックス・コッチ Alex Kotch - リデュース・リユース・リサイクル Reduce, Reuse, Recycle
アレッサンドロ・アニュンツィアータ Alessandro Annunziata - 大衆の2つの情景 Deux Scéne populaire
ニーノ・ロータ Nino Rota - 三重奏曲 Trio

ペクー、コッチ、アニュンツィアータという名前は、初めて聞いた!こんな曲があるのか!という感じである。しかも、いちいち解説文が興味をそそる。コッチの「リデュース、リユース、リサイクル」なんて、すごく刺激的なタイトル!一部は作曲者のサイトでも聴けるが、全体を通して聴くとどんな曲なのだろう。

クリスチャン・ロバの曲も、有名な2本のサクソフォンのための「アドリア Adria」ではなく、「ポーギー・ストライド」という、アート・テイタムの弾いたジャズのフレーズを基にした楽曲。もともとは2台ピアノのために書いた曲を、この編成へとアレンジしたもののようだ(もとの曲については、ここから一部を聴ける)。

どの作品も面白そうで、録音でも良いからぜひ聴いてみたいなあ。いつかCDがリリースされることを心待ちにしたい。

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