2008/08/19

こいつぁスゴイ!

たまに、こういう手放しで楽しめるアルバムが出てくるのがうれしい。イタリアのサクソフォン奏者、マリオ・マルツィMario Marzi氏の最新アルバム「Milonga del Angel(Stradivarius STR 57906)」。すでにmckenさんがブログ上でもウェブページ上でもとびきりのレビューを書いている。

これは、すごい。カプースチンの「8つの音楽的エチュード」や、ヘンク=ファン・トゥイラールト氏の「Tango」、そしてモルゴーア弦楽四重奏団の「Destruction」、アレッサンドロ・カルボナーレの「No Man's Land」を、それぞれ初めて聴いた時に匹敵する衝撃を受けた。

なんじゃそりゃと思われる方もいるかもしれないが、とにかく「超カッコいい!熱い!楽しい!」の三拍子揃ったCDということ。いやー、良いなあ。最高です。

Egberto GISMONTI「Cego Aderaldo」
Egberto GISMONTI「Palhaco」
Egberto GISMONTI「Karate」
Chick COREA「Children's Songs」
Simone ZANCHINI「Valzer storto」
Hermeto PASCOAL「Chorinho pra ele」
Ernesto NAZARETH「Cavaquinho」
Astor PIAZZOLLA「La muerte del Angel」
Astor PIAZZOLLA「Milonga del Angel」
Astor PIAZZOLLA「Libertango」
Astor PIAZZOLLA「Oblivion」
Astor PIAZZOLLA「Escualo」

編成は、サクソフォン+アコーディオン+ピアノ(+時々パーカッション)というもの。どこかで聞いたことのある編成だなあと思ったら、須川さんもほぼ同じ編成で「Cafe 1930」をリリースしているじゃないか。しかしこのアルバムは、まさか同じ編成とは思えないほどのスーパー・ファインプレーが印象的だ。ところで、んー、全体的にサックスよりもアコーディオンのほうが印象に残るのはしょうがないかな(笑)。アコーディオンを弾いているSimone ZANCHINIは、かなり有名な方のようだ。アコーディオンが、こんな素晴らしい楽器だということを初めて知った。

のっけから、アコーディオンの超高速リフに圧倒され、そこに負けじとハイ・テンションなサクソフォンが絡む。コードを外れるか外れないかのところで繰り広げられる、ギリギリのアドリブバトルが凄い。聴きながら、思わず「うおー」と声を上げてしまったのは秘密だ。ほかの曲でも、サックスとアコーディオンとの高速ユニゾンや完全即興など、どこを切りだしても聴きどころばかり!

どの作品の演奏も良いのだが、お勧めをジスモンティの3曲と、ピアソラの「リベルタンゴ」かな。「リベルタンゴ」なんてもう聴き飽きたという方が大半だと思うが、最初のアコーディオンの完全即興なんて、今まで聴いたインプロヴィゼーションの中でも最高のもののひとつ。凄すぎ。

イタリアのレーベルなのだが、amazonから購入できる。ぜひ買って聴いてみていただきたい。

YouTube上に、同じバンドでの演奏動画があった。

2 件のコメント:

  1. このCD、スゴイですよね!?
    あまりの衝撃に、Marzi氏の未購入のCDを買い漁りたい気分なんですが、どこかで売ってませんかねぇ。。

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  2. > mckenさん

    また凄いの見つけてきましたよねえ、さすがmckenさん。

    Marzi氏、あのオーケストラとのピアソラ作品集の後に、いったい何が起こったのでしょうか(笑)。まるで別人ですね。私も、他のアルバムに俄然興味がわいてきました。

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