2008/07/07

サクソフォン音楽の165年

ロンデックスの著書の話ではなく、ニコラ・プロスト Nicolas Prost氏のウェブサイトの話。卓越した演奏家としての顔だけでなく、フランスにおけるサクソフォン史研究の筆頭というプロフィールをも持つプロスト氏。そんな彼が、サクソフォン音楽の歴史について、簡単にまとめたサイトというものが存在する。

サクソフォン史上の、作品リストやエピソードについてまとめたものというと、ウェブ上にもいくつか資料が存在するとは思うのだが、何といっても特筆すべきは、音源が試聴できること(!)。いくらテキストで書いたところで相手に伝えるには限界があるところで、たとえ曲の一部とは言えども、試聴できるだけで説得力は段違いだ。

http://saxiana.free.fr/165ans.htm

1ère période(黎明期)、2ème période(中興期)、3ème période(近現代)の3つのパートに分かれており、まず各リンクをクリックすると、「ダウンロードに時間がかかりますよ」の警告が出る。続けてcliquer ICI pour continuerをクリックすると、それぞれのページに飛ぶことができる。

例えば1ère périodeは、なんとベルリオーズの「神聖な歌」から始まっている!サクソフォンが編成に組み込まれた作品の中では、最初に作られたものと伝えられているが、はたしてどんな音がするか、というのは知らなかった。おお、バスサクソフォンがこんなに朗々とした旋律を奏でているんだ~、とか。1ère périodeだけ見ても、サン=サーンスの吹奏楽曲「東洋と西洋」とか、アイヴスの「交響曲第4番」とか、ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ第2番」とか、秘曲が多いですなー( ̄ー ̄)

2ème période、3ème périodeでも、ぜひご自分で聴いて面白い曲を見つけていただきたい!そう、こちらから紹介しなくても聴いて見つけていただくことができる、というのは、ちょっと今までにない形かも。なんて。

サクソフォンのソロ曲だけではなく、かなりの割合で室内楽やオーケストラ、吹奏楽も含まれており、サクソフォンがどんな音楽の中で使われてきたか、ということを、バランス良く知ることができる。このページを使用して、そのまま「サクソフォンの歴史」という講義ができそうだ。

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