2008/06/08

トランス物に対する意識

サックスでトランス物をやる機会も増えてきたなー。きりがないが、ブラームス、ヒンデミット、ヒンデミット、フランク、バッハ、シューベルト…いくらでも挙げることができそうだ。一般の人に対して「増えてきたな」と思わせるのにはいろいろ理由もあろうが、例えば日本でのブームを見てみると、雲井さんがシューベルトを取り上げ、平野さんがC.P.E.バッハやヒンデミットを取り上げ…という風に、プロの方がCDで取り上げることで、一部の作品に対するブームが巻き起こっているようだ。

そういえばサックスの創生期にはトランス物しかレパートリーがなかったんだっけ。ミュールたちがギャルド・レピュブリケーヌの中でサクソフォン四重奏団を結成したときも、最初は弦楽四重奏曲のレパートリーを編曲しては、演奏会で取り上げていたと聞く。

まあ、昔と今では「無いものを求めて」というところから、「隣の芝生を見て」というような変化はあるのだろうな。トランス物とは言っても、ミュールの時代と現代とでは、そもそものモチベーションが異なることは、間違いないだろう。1920年代、ミュールは何を思いながら四重奏の楽譜をせっせと書きつけていたのだろうか。と、はるか昔に思いを馳せてみるのである。

2 件のコメント:

  1. まだまだ古典を本当に表現できるサクソフォン奏者は少ないのではないでしょうか。

    オーケストラに属する管楽器群とはまだまだ歴然とした差があるように思います。

    古典のアーティキュレイトに関してはかなり真摯に
    取り組んでらっしゃる方々がいらっしゃいますが、オーボエやフルートのような木管としての発音・音色にはまだ遠い距離があるように思います。

    いまだからこそトランスクリプションが大事だと思います。

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  2. > donaxさん

    そうだ、過去・現在ときて、未来の考察が抜けていました(^^;もろ手を挙げて同感です。

    これから、何十年か何百年かあとに、サックスを真のクラシックの楽器として位置づけるためには、トランス物への積極的なアプローチが必要ですね。

    古楽をきちんと演奏できるサックス吹き…うーん、たくさんは思いつかない辺りが、まだ発展途上である証拠でしょう。

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