2008/05/09

クロード・ドゥラングルの生徒たち(その4)

[1998]
新作課題曲:
なし
1er prix:
Christophe Boidin, Alexandre Doisy, Ganaël Dusquenoy, Grégory Letombe, Olivier Piot

日本でも知名度が高いのは、アレクサンドル・ドワジー Alexandre Doisy。ミュンヘン国際音楽コンクール最高位、アドルフ・サックス国際コンクール(ディナン)第1位、ジャン=マリー・ロンデックス国際コンクール第1位など、コンクールでの華々しい入賞暦を誇る。パリ市立6区ラモー音楽院サクソフォン科教授。いろいろな話を聞くにつれ、どうやら天才らしいです。独奏で来日してくれないかなー。

Christophe Boidinは現在パリ市立11区音楽院教授。Christophe BoidinとAlexandre Doisyに関しては、波多江史朗氏のエッセイが面白い。両者とも、Quatuor de saxophones vivaceの奏者であるそうだが、現在はこの四重奏団は活動しているのだろうか?

Grégory Letombeは、Saint Quentin音楽院教授。セルマーアーティスト。Olivier Piotは、Avignon音楽院教授。ジャズのほうでも活躍しているそうだ。Ganaël Dusquenoyは、情報を見つけられなかった。

[1999]
新作課題曲:
Jean-Claude Henry - Anche, archet, marteau...conte
Tres bien:
Catherine Courtemanche, Erwan Fagant, Shiro Hatae

新作課題曲の「Anche, archet, marteau...conte」は、ヴァイオリン、サクソフォンとピアノのための作品。ちょっと興味あるな…どんな響きのする作品なのだろう。

この年から、評価が「Tres bien」「Bien」「Assez bien」に分かれた。"のだめ"でもお馴染みですね。ターニャが最初の試験でAssez bienをとってしまい、挽回しようと頑張っている、というような描写が出てきた気がする。

さて、卒業生のなかで注目すべきは、やはり波多江史朗さん!パリ音楽院卒業後は、セルジー音楽院に入学し、併せて同音楽院の研究課程をも修了している。Quartet Spiritusとしての活動やソロCDのリリースなど、帰国後の活躍のほどは周知の通り。公式ページはこちら。個人的には、なぜかあまり演奏を聴いたことはないんだよな。なんとなーく、ドルチェ楽器で見かけることは多いのだが(笑)。

Catherine Courtemancheに関しては、あまり詳しい情報は見つけられなかったのだが、現在はどこかの市立音楽院の教授だとか(11区?)。Erwan Fagantは、Vincent David率いる四重奏団、Quatuor Arcanesのメンバー。Bourg-la-Reine県立音楽院、Chartres県立音楽院、教授。Bourg-la-Reine県立音楽院は、年齢制限がないこともあり、日本からの留学生が数多く在籍しているとか。

[2000]
新作課題曲:
なし
Tres bien:
Anne Lecapelain
Bien:
Chiharu Inoue

この年の卒業生は、お二人とも女性。ともにドゥラングル・クラス初の女性ということになるのだろうか。Anne Lecapelainは、Nicolas Prostと共にTrio Saxianaを結成し、活動を行っていることで名前を知っていた。

そして井上千春(ルマリエ千春)さん!現在はYann Lemariéと結婚され、フランスを中心に活動を行っている。ドゥラングル教授によるレッスンの描写がここから参照できる。

お二人はデュオ・ルマリエという二重奏団を結成し、演奏活動を行っている。これ聴いてしまうと、デュオが成功するかどうかは、2人の音楽性がどれだけ合うか、にかかっていると思えてしまう。初めて聴いたとき、1曲目のルクレールが響き始めた瞬間に、そのあまりの美しさに飛び上がったことを覚えている。

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