2008/04/17

Marius Constant: 4 Concertos

以前から探していたCD「Marius Constant: 4 Concertos(Erato 4509-94815-2)」。フランスの作曲家、指揮者、ピアニストであるマリウス・コンスタン Marius Constant。彼が作曲した協奏曲を集めたディスク。ジェローム・カルテンバッハ Jerome Kaltenbach指揮 ナンシー交響楽団と、独奏者の共演である。サクソフォンにクロード・ドゥラングル Claude Delangle教授が参加している。

ここで取り上げられているサクソフォンと管弦楽のための「コンチェルタンテ」は、現代サクソフォン界の構図を決定した作品、と言っても過言ではない。1979年5月、南仏ギャップで行われたサクソフォンの国際コンクール。そのコンクールの本選課題曲こそが、この「コンチェルタンテ」なのである。モンテ=カルロ交響楽団との共演の結果、若き日のクロード・ドゥラングルが最高位に輝き、以下、ジャン=イヴ・フルモー、ジャン=ポール・フーシェクールが続いた。現在、フランスのサクソフォン界の勢力図を見てみれば…言うまでもなし。

内容は以下。一曲目のコルのための協奏曲、というものは、フレンチホルンの協奏曲だと思っていただければ良い。二曲目のOrgue de Barbarieというのは、バレル・オルガン(自動演奏オルガン)のこと。どうやって合奏しているのだろうか。

Choruses and Interludes (Cor et Orchestre)
Concerto (Orgue de Barbarie et Orchestre)
Concertante (Saxophone et Orchestre)
Concerto "Gli Elementi" (Trombone et Orchestre)

一曲目の「Choruses and Interludes」から、驚きのジャズ風コンチェルト。編成は、ホルンを含むコンボバンド(エレキベース、ドラムス、ピアノ、サックス)とオーケストラのための協奏曲といった形式で、第1楽章の冒頭からバス・オスティナートに支えられて、ホルンが暴れまくるのだ。曲中では各パートの即興によるソロのような箇所もたくさん出現し、なかなかに強烈な印象を残す。バレル・オルガンとオーケストラの協奏曲は、さすが自動演奏器械といったような音数の多さ。多彩な音色と高速なフレーズの応酬は、じっと聴いていると吸い込まれそうになるな。かと思えば、第2楽章は全く違う曲想。これはぜひ聴いていただきたい。

お目当てだったサクソフォンの「コンチェルタンテ」は、大好きな第2楽章「ケイクウォーク」が、なんだか面白くない。その代わり、これまできちんと聴くことができなかった第3楽章「パッサカリア」が、妙に良い曲に聴こえる!何なんだ、この逆転現象。オーケストラの音に厚みがないからなのかな。例えばロンデックスの復刻盤は、録音が悪い代わりにテンションや音の厚みが物凄いことになっており、聴き比べてみると面白いかもしれない。トロンボーンの協奏曲「グリ・エレメンティ」は、超絶。トロンボーン吹きなら、聴いておいて損はなし。

入手先であるが、永らく廃盤になっていたのだが、ArkivMusicがWarner Musicから権利を譲り受け、CD-Rとして販売し始めたようである(→こちらのページから辿れる)。何はともあれ、再販を喜びたい。プレスCDの中古に関しては、amazonで取り扱っているが、お値段高めなのが難。

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