2008/03/05

木下直人さんから(ギャルドQのAFA盤)

ギャルド・レピュブリケーヌ四重奏団のLPと言えば、原盤AFAで東芝EMIからも発売された「サキソフォン四重奏の魅力」というレコードが有名であるが、ギャルド四重奏団は、なんともう一枚AFAレーベルへの吹き込みを行っているのだ。東芝EMIとAFAは、かつて提携を行っていたのだが、なぜかこちらのLPは国内発売されていない。その理由は良く分からないが、収録曲目がやや現代的であること、が少し関係しているのかもしれない。「Quatuor de Saxophones de la Musique de la Garde Republicaine Paris(AFA 20893)」というタイトルで、製作は1975年。ちなみに、このLPは木下さんも実物はお持ちでないとのこと(!)

Aubert Lemeland - Epilogue Nocturne
Rene Nicolas - Passim
Maurice Bagot - Saxophonie a quatre
Patrice Sciortino - Agogik
Jacques Bernard - Andante et Scherzo

うーん。知らない作曲家ばかりだ。オーベール・ルムランに、ルネ・ニコラですかい。バゴの名前は、もう一枚のAFA盤で聴いたことがあるし、パトリス・ショルティーノはあの有名な「異教徒の踊り」の作曲家ですね。ジャック・ベルナールの名前も、何かのCDで聴いたことがあるような…。

ちょっと現代的な作品ではあるが、聴きづらいということはない。どの作品を聴いても、管楽器を愛する国フランスの作曲家&フランスアカデミーの潮流の中にある作曲家、の手によるものだなあ、ということを感じ取ることができる。ギャルド四重奏団も、思いっきりヴィブラートをかけている(^^;もし、現代のサックス四重奏団が演奏したのなら、こういった演奏にはならないだろうなあ。

ショルティーノの作品が特に面白かった。「異教徒の踊り」あたりを想像しながら聴き始めるとびっくりするが、音遊びに徹した興味深いもので、最終部ではジャズの影響を受けた筆致も聴くことができる。響きは現代的ではあるが、特殊奏法を全く使っていないところに、「1975年」という時代を体感することができる(デニゾフの「ソナタ」は1970年)。たしかに、音のパレットという点では、ここに収録された作品はかなりの"限界"を感じ取ることができるような気もする。作曲家がうずうずしている、という表現が正しいかもしれない。

大変貴重な音源、ありがとうございました。例によって、私の知り合いで、これらの音源に興味ある方は、メールかmixiのメッセージでご連絡ください(木下さんからもお許しを得ています)。

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