2008/03/12

木下直人さんから(ギャルド関連その2)

ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の来日公演は、1961年の初来日以降は、1984年、1987年と続く。それぞれの年における、これまた貴重なものを頂戴したので、ご紹介したいと思う。今回は、1987年から順番に遡っていきましょう。

1987年の来日公演における、Cプロの録音(1987/11/19)。指揮は、ロジェ・ブートリー氏。
A.シェーンベルク - 主題と変奏
A.ドヴォルザーク - スラヴ舞曲より
R.ブートリー - アルテルナンス
M.ムソルグスキー - 展覧会の絵
~アンコール~
「カルメン」前奏曲、熊蜂の飛行、「アルルの女」よりファランドール、?、主よ人の望みの喜びよ、「フランス組曲」よりプロヴァンス

シェーンベルクの「主題と変奏」に「アルテルナンス」とは、Coreliaから出ている某CDを思い起こさせますな。「アルテルナンス」は、ライヴ録音ならではのテンションの高い演奏&複雑な曲構成で、なかなか面白い。「展覧会の絵」の「古城」における見事なサクソフォン独奏は、この時トップを務めていたアンドレ・ブーン氏だろうか。アンコールが6曲!!すごい。最後のフランス組曲は、爆速。

1984年来日時の、NHKホールにおけるライヴ映像(1984年9月30日)!なんと、衛星Bモードの生放送を録画したものであること。
J.S.バッハ - トッカータとフーガニ短調
G.ビゼー - 組曲「アルルの女」より
C.ドビュッシー - 「夜想曲」より"祭"
J.B.リュリ - 国王づき近衛騎兵行進曲
P.I.チャイコフスキー - 幻想序曲「ロミオとジュリエット」
R.ブートリー - ディヴェルティメント
R.シュトラウス - 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
~アンコール~
「カルメン」前奏曲、熊蜂の飛行、ダッタン人の踊り、「アルルの女」よりファランドール、?、主よ人の望みの喜びよ、

20年以上前の映像ということで、どのくらいの画質か観るまで想像がつかなかったのだが、驚きの高画質&高音質。池田裕子アナウンサー、ゲストに吉田雅夫氏を迎えての番組構成。(生放送なので)休憩時間中には、観客へのインタビューが入るなどして、面白い。ブートリー氏の指揮姿から、各団員の顔までじっくりと観ることができる。観客の熱狂っぷりも、凄い。

「トッカータとフーガ」の後に叫ばれる「良かったよー(良かったぞー)」というのが、いわゆる日本語版ブラボーか。なるほど。アンドレ・ブーン御大の、吹奏楽をバックにしたブートリー「ディヴェルティメント」のサクソフォン・ソロ演奏姿は、貴重なことこの上ない。

そして最後に、1961年来日時におけるモノクロの映像!ギャルドのこの時期の映像は、世界を探しても残されていないそうだ。す、凄すぎる…。映像の詳しい解説は、こちらのリンク先ページの第79話を参照していただきたい。残念ながら音は入っておらず、しかも時間にしてわずか1分少々なのだが、例えばサクソフォンセクションなど、かなりしっかり映っており、感激!!

この映像がどれほど貴重なものかということは、なかなか言葉では表せないほどなのであるが、そうだなあ…「日本の吹奏楽界の歴史上、最も重要な資料の一つである」ことには、間違いがない。

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