グラズノフ晩年の作品、「サクソフォーン協奏曲」と「サクソフォーン四重奏曲」って、なぜどちらとも「作品109」なのだろうか。違う作品なのに同じ作品番号が付与されることって、良くあるのかな?そういえば、よくよく聴いて、さらに楽譜を見てみれば、音形的にも、構成的にも似てるところがたくさんあるよなあ。
※この件、解決しました。下に追記してあります。
「サクソフォーン四重奏曲」はミュール率いるギャルド・レピュブリケーヌ四重奏団に、「サクソフォーン協奏曲」はシガート・ラッシャーに、それぞれ献呈されている。完成時期は、やや「サクソフォーン四重奏曲」のほうが早い。グラズノフの「四重奏曲」については、以前Saxophone Journalの記事を翻訳してブログ上で公開したっけ(内容的にけっこうおもしろい)。
何というか、作曲当時のグラズノフの健康状態を考えると、聴きながら背筋を伸ばしたくなりるなあ…。今聴いているのは、アレクサンドル四重奏団の演奏。音色は一癖あるけれど、どこまでも濃密な時間が流れている。ハバネラの神懸り的なライヴ演奏とはまた違った良さがあり、個人的に甲乙つけがたいところ。
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(追記)
この件に関して、mckenさんよりご指摘いただきました。ありがとうございます:協奏曲に109という番号が割り振られているのは「表記の誤り」だそうで。慌ててロンデックスの目録「Comprehensive...」をひいてみると、ホントだ、109という作品番号は「四重奏曲」にのみ割り振られており、「協奏曲」には作品番号が付与されていないじゃないか。
作品109は四重奏曲ですね。
返信削除協奏曲には作品番号はありません。mcken氏の指摘どおりです。
「間違い」の原因は、私は、70年代に発売されたユージン・ルソーの協奏曲集のレコード(ドイツ・グラモフォン)ではないかと思っています。
私が所有しているのは、1979年に購入したドイツ盤LPですが、このレコードのジャケットにはしっかりと「アルトサクソフォンと弦楽オーケストラのための協奏曲変ホ長調、Op.109」と、ご丁寧に独英仏3か国語で書かれています。
当時は音源情報がきわめて少なかったので(しかもほとんど唯一のこの音源が、ドイツ・グラモフォンという非常に有名な版元だったので)、これを参照した方々が皆、間違いをも踏襲してしまったのではないかと。
Thunderさんのサイトで解説されているあのレコードですね。なるほど!言われてみれば大いにありえる話だと思います。
返信削除私自身はそのレコードが何たるかを身をもって体感していないのですが(所有している再版CDは、確か1000円ちょっとで買いました)、当時のサックスを学ぶ方々にとっては大きな存在であったことがうかがい知れます。再版では、きちんと直っているようですね。
現代では、ざっと漁ってみると、サヴィヨキ氏のBIS盤やボーンカンプ氏の盤、ミハイロフ氏のメロディア盤LPに「109」の文字が…(^^;ちなみに私自身は、ボーンカンプ盤から刷り込みが起こったようです。