2007/10/03

たまには、吹奏楽のCDなど…

中古CD屋さんでゲットした吹奏楽のCDをご紹介。

ロン・ネルソン Ron Nelsonは、アメリカの作曲家で、主に合唱の分野と器楽の分野へ作品を提供している。若いころに培ったオルガニストとしてのバックグラウンドを感じさせる、効果的な和声を炸裂させた作品が多い。このCD「Holidays & Epiphanies(Reference Recordings RR-76CD)」は、アメリカ屈指のプロ吹奏楽団、ダラス・ウィンド・シンフォニーがネルソンの作品に取り組んだCD。指揮はジェリー・ジュンキンとネルソン本人。

個人的な感情を持ち出して申し訳ないが、ネルソンの「ロッキー・ポイント・ホリデー」「パッサカリア」の2作品は、以前からとても好きな曲であるのだ。特に後者は、数ある吹奏楽曲の中でも傑作に位置するものだと常々感じている(ABA始め、吹奏楽作品に与えられるさまざま賞を総ナメにしたという話)。今までは、アメリカ空軍バンドのライヴ版辺りを楽しんでいたのだが、まとまった録音を手元に置くことができるのは、ありがたい。しかも800円の叩き売り!

今回新たに、「ラウズ」と「エピファニー」という作品の面白さに気づくことができたのが良かった。いずれもやや宗教的な事柄に題材を取ったものだが、炸裂する陰鬱な響きが、なんともクール。演奏も最高で、ライヴ盤かと思わせるような激しいテンションには、何度かのけぞってしまった。

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怪しいCDだ。ジャケットの紋様は、よくよく見ると「楽」の文字。…ネバダ州立大学ラスベガス校バンドをご存知だろうか?"人を喰ったような"アルバムを何枚もリリースし、吹奏楽界に刺激を与え続けているアメリカでは超有名なバンドだ。指揮はトーマス・レスリー教授と、TAD鈴木氏。最近発売されたという、ネイサン・タノウエの新作 featuring エリック・マリエンサル(!!)が入ったCDはちょっと興味があるが、未だ手に入れていない。

このCDでの注目は、何といっても初演者の組み合わせによるエリック・ウィッテカー「ゴースト・トレイン」の演奏だろう。おそらくウィッテカーと何度もリハーサルを重ねたであろう、綿密な解釈の固定を聴くことができる。と、目指すベクトルの一致はかなり成功しているのだが、いかんせんアマチュアの大学生、演奏は何とも大味&炸裂系。音程に不安を感じるところすら散見されるほど…だが、それが良い!(笑)

産声を上げたばかりの「ゴースト・トレイン」という作品が、まさに発進しようとするその瞬間を切り取った、貴重な録音だ。大阪市音の演奏のような洗練された感じも良いけれど、ラスベガス校バンドのような演奏は、この瞬間にしかできないのだなあ(しみじみ)…この曲に取り組む向きには、ぜひ一度耳にして欲しい録音。

その他何曲か入っているのだが、一曲目で突然漏れ聴こえてくるカノンのメロディ、バーンズの「パガニーニの主題による幻想変奏曲」での打楽器軍団の爆発、「エルザの大聖堂への行列」での見事かつ豪快な踏み外しっぷり、アンコールとして配置された「サーカス・デイズ」での若者的ノリ、等々、ツッコミどころ、いやある意味聴き所が多すぎて、お腹いっぱい。

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