2007/09/20

ジャック・テリー Jacques Terry

ジャック・テリー Jacques Terry氏は、言わずと知れた、デファイエ・サクソフォン四重奏団の伝説的なサクソフォン奏者だ。

1922年10月25日生まれ、15歳のときにクラリネットとサクソフォンを学び始め、パリ国立高等音楽院にサクソフォン・クラスが開設されると第一期生となり、マルセル・ミュールにサクソフォンを師事した。卒業後は、パリ音楽院の同級生であったダニエル・デファイエが設立した四重奏団に参加し、テナーを担当。その他、オーケストラ・ソリストや独奏者としての活動も目覚しい。

教育面においては、パリ市立10区音楽院の教授として後進を指導。優れた奏者を数多く輩出した。日本人でも、服部吉之先生、小串氏など、多くの奏者が学んでいる。ピアニスト服部真理子さんのページから、テリー氏に教えを受ける若き日の服部先生の写真を拝見することができる(こちら)。

今日、久しぶりにデファイエ四重奏団の録音を聴いた。…そうだ、テリー氏のこの音。私の中では、いくら憧れても絶対手に入らないものの代名詞。なんとも浮遊感のある不思議な音色…メタルの古ぼけたマウスピースで、どうやったらこんな音が出るんだ。加えて際限のないテクニックと楽器の完璧なコントロール。…はあ(ため息)。

四重奏の中でテナーを吹いている私にとって、この音楽は、驚異と表現するしかないのですよ。少しでも近づけたら…というのは、愚考かも。

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