ジャン=マリー・ロンデックス Jean-Marie Londeix氏が著し、1970年に出版された「125 Years of Music for Saxophone」は、当時世界に存在した、ほぼ全てのクラシック・サクソフォンのための作品(6,000作品!)を網羅した書籍。サクソフォン作品が増えつつあった当時、作品を目録として整理することで、サクソフォン界に大きな影響を与えた。
その後、1994年には12,000作品をまとめた「150 Years of Music for Saxophone」が同じくロンデックス氏の手によって編纂された。そして2003年には、増え続けるレパートリーを追う形で、「Comprehensive Guide to the Saxophone Repertoire 1844-2003」が出版された。これは、古今東西のサクソフォンのための曲を、実に18,000作品(!!)網羅した書籍である。
で、その本を買っちゃったのです(^^;;;;
クラシック・サクソフォンの世界を研究するために、いつか欲しいと思っていたのだ。買うのを先延ばしても情報が古くなるだけだし、この際だと見切りをつけて注文してしまった。とにかく高い本なのだが、送料込みで10000円未満だった、とだけ言っておきましょう…。ああ、お金が…(涙)。
さて、届いた本を見て、びっくり!写真を見ても、やや大きさが分り辛いが、見開くとA4ページ×2のA3サイズで、臙脂色ハードカバー金文字入り、厚さ4センチ全646ページ、というボリューム。メインはオリジナル作品・アレンジ作品の作曲家のアルファベット順インデックスで、そのほかに、編成別インデックスが付属している。各作品に対して、ごくごく簡単な編成表と作曲年代、演奏時間、出版社などの情報が記されているというもの。著名な作品に対しては、フランス語または英語で解説が挿入されている。
見開き丸々、名前すら聞いたことのないような作曲家で占められている、ということは、ザラ。ページを開くごとに、新たな発見が。マルカス・ワイスがシェーンベルグの5つのカノンを編曲していたのかあ、とか、意外とサクソフォンと声やライヴエレクトロニクスの作品って多いぞとか、こんなヘンな編成の曲があるのかあ、とか。書ききれません。
書籍としての凄さと同時に、サクソフォンの世界の凄さを見せ付けられた感じだ。とりあえず、この大仕事をやってのけた編纂者のロンデックス氏と著者のブルース・ロンキン氏に、感謝の念を表しつつ、こう叫んでおこう。
「クラシック・サクソフォンの海は、実に広大なり!」
この本は、クラシック・サックス界という広大な海を航海するのに必要な、まさに海図そのものだ。…興味ある方は、(高価ですが)アマゾン等で探してぜひ買ってみてください。
原 博巳さんのブログでもこの本の件、
返信削除触れられていましたよね。
学生時代、生でロンデックスの演奏を聴きました。
日本では私の同世代が、演奏に触れることが出来た最後の世代でしょうね。
ええ、私もその記事拝見しました。ロンデックス氏ご自身からお買いになったそうで、とてもうらやましく思いました。
返信削除京青さんもぜひ買ってみてください(笑)ものすごく面白いですよー。
「サックスとテューバのデュオがこんなにたくさん存在しているのかあ」とか(^^;;