2007/05/15

クローバー・デビューリサイタル

ぼーっとしていると、更新できずに3日も4日も過ぎてしまうことって、良くある(え、ないって?)。今さらではあるが、先日聴いたクローバー・サクソフォン・クヮルテット Clover Saxophone Quartetのデビューリサイタルの感想を。

5/11 19:00~ 開場時間にぴったり合わせて行くと、ロビー外まで続く長い列。今回の演奏会は、なんと満席だったようだ。音大生っぽい人、プロとしてかなり高名なサックス吹きの方々がたくさん。雲井雅人サックス四重奏団のときと、ほぼ同じ位置になんとか席を構え、開演を待った。

一曲目はボザ「アンダンテとスケルツォ」。以前からの感想と同じになってしまうのだが、やはり微弱音を完璧にコントロールできるのは、この若い四重奏団の最大の武器だ。第1楽章アンダンテの、民謡風のテーマが盛り上がって、最後、静かに和音の伸ばしで閉じてゆくときの微妙な表情なんかも、見事。フランセは、楽しかったな。実演で聴いたのは初めてだが、fffとpppとの差をつけ、皮肉さをしっかり引き出した解釈。実演だと余計に、奏者の動きなどとあいまって微笑を誘う曲だ。デザンクロは、フェスティバルで聴いたときよりも、バランスなどの点において、さらに練られているような印象を受けた。今回の演奏会に向けて、相当量の合わせをしたのだろうと推察する。

後半は、石毛里佳さんという方の新作「アレグレットとプレスト」から始まった。アマチュアには演奏できないような高難易度の作品で、ジャズ風の和音を持つ断片的なフレーズが現れては消え、徐々に収束していくような、面白い曲だった。演奏後にステージに呼ばれていたけれど、とてもあんな曲を書くとは思えない、フツーの女性といった趣。最後に演奏されたグラズノフは、クローバーのいわば、「名刺代わり」とも言えるレパートリーなんだそうだ。どこまでもなめらかで明るい響きで、軽やかなグラズノフ。ハバネラの演奏に近い、とも言えるかもしれない。現代のサックスの、トレンドなのだろう。

アンコールは、モリコーネ/石毛編「ニュー・シネマ・パラダイス」に、林田さんの自作「ストレンジ・フォー・カラーズ Strange Four Colours」。林田さんの曲がまた、疾走する感じのカッコイイ曲で、サックスが上手い上に、こんな余技も持ってらっしゃるとは…と、驚き。

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