2007/04/29

International Music Score Library Project

パブリック・ドメインとなった楽譜を、大量にPDFとして公開しているウェブページを発見した。その名も、「International Music Score Library」。

こういった試みは、代表的なものとしてWerner Ickingや、Sheet Music Archiveなどが今までも存在したが、古今東西の作曲家の作品を、ここまで体系的に網羅してあるウェブサイトは、初めてだ。小編成の室内楽曲、というのは検索すると意外と存在するものだが、大編成のオーケストラ作品のスコアとなると、無料で公開されていることが少ないのが普通だった。ところが、このサイトはパブリック・ドメインとなったフルオーケストラのスコアまでをも、しっかりと所蔵しているのだ。

例えば、ラヴェルの「ピアノ協奏曲」のフルスコアなんて、「インターネット上で無料で」という条件でなんて、めったにお目にかかれないではないか?ドビュッシーの「海」、シェーンベルク「月に憑かれたピエロ」、ストラヴィンスキー「春の祭典」、ビゼー「アルルの女」…等々、なかなか興味深いものがたくさん並んでいる。

このサイト、いろんな曲を聴いているときに「ちょっと楽譜を見てみたいなー」と思ったときに、とっても役立つと思う。たとえば"のだめ"を観ながら、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」のフルスコアを、ちょっと眺めてみるとか(笑)。ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」のピアノスコアや、ベートーヴェンの「交響曲第7番」のスコアを眺めてみるとか。

著作権に関しては、有難いことに、作曲者死亡年より50年経過・出版年より50年経過の両条件を満たしたものばかりなので、日本にいる限りは、ほとんどのスコアのダウンロードが全く問題なし。なかなか面白いので、ぜひ覗いてみていただきたい。

2 件のコメント:

  1. 私も別ルートで最近このサイトを発見したところで、そのうち自分のところでも紹介しようと思っていました。
    これは私たち素人が楽譜の覗き見をするだけにとどまらず、特に作曲や和声や楽曲分析を勉強している人にとって、はかり知れない利益をもたらすものだと思います。偉大な先人たちの遺した膨大なサンプルが即座に参照・利用可能なわけですから。

    世の中は日々進化しているようで…

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  2. なるほど、その使い方は良いですね。言われてみれば、作曲科の学生にとっては宝の山なのでしょう。

    パブリック・ドメインとなった楽譜のオンライン共有は、WWWの歴史の割には新しい分野ですので(大手はせいぜいWerner Ickingくらいですか)、理解がもっと深まっていけば良いなー、と思っています。

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