2007/03/14

メイド・イン・ジャパン

日本のサックス吹きがコンサートで取り上げるプログラムや、CDに吹き込んでいる作品のリストを眺めていると、どうしてこうも自国の作品が少ないのだろうか、という疑問が湧き上がってくる。サックスの本場であるフランスや、アメリカ、そしてイギリスのサクソフォーン界を眺めてみると良い。自国の作品のみでプログラムを固められたディスクが大変多いのだ。

本国フランスでは、伝統的なアカデミック作品はもちろん、若手作曲家たちによる新作もレコーディングされているのが興味深い。アメリカではASCAPが積極的に自国の作品をサポートしているし、イギリスはもちろんレパートリーの多くが自国産の作品であるから、自然とコンサートやレコーディングもイギリスの作品となっていく。

ところが日本はどうだろう。時々、単発モノの新作が「委嘱初演」としてコンサートで取り上げられることはあるものの、レパートリーとして定着するに至った作品って、いまだかつて存在しただろうか。いつまでも「ファジイバード・ソナタ」だけではあまりにも悲しすぎるではないか?

いろいろ原因はあるだろう。曲そのものの魅力、楽譜の流通、レコーディングの少なさ、コンサートプログラムとしての少なさ。そのどれもが中途半端なレベルに落ち着いてしまって、悪循環を生み出している気がする。このままでは世界に誇れるメイド・イン・ジャパンがブレイクすることは望めないだろう。

(私個人はイギリスのクラシック・サックス界に目が向いてしまっているため、ぶっちゃけた話、日本産レパートリーが日本で演奏されることよりも、イギリス産レパートリーが日本で演奏されることを望むクチ。しかし、イギリス本国内での「自国産LOVE風潮」に比べ、日本のサックス界のそれはあまりにみすぼらしい。それはそれで、ニッポンジンとしてなんだかちょっと悲しいのである。)

奏者・作曲家・聴衆のうち、まずは…やっぱり奏者さんたちにがんばっていただくのが良いのかなあ。せっかくレベルが高い日本のサックス界であるのだから、フランス産一辺倒であるレパートリーの見直しもぜひやっていただきたいところだ。私自身も、余裕さえあれば日本産サックス曲リストでも作りたいのではあるが…。

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